運良く1人のんびりお風呂に入ることができた。(普段はちび付きなので・・・)
静かにお湯につかっていると、次男の激しい泣き声が聞こえてきた。
ややあって、夫の怒る声が聞こえ、その後で長男が泣く声も聞こえてきた。
2年生の長男が声をあげて泣くのは、ちょっと珍しくなってきているので、どうしたのだろう?と考えた。
その間にも、次男の大きな泣き声はすざまじかった。
たぶんお兄ちゃんにいじわるをされ、どこか痛かったりしたのだろう。
それを見つけたパパが怒り、お兄ちゃんは悔しくて泣いているのだろう。
などと想像しながらお風呂につかっていたのだけど、二人の男の子はしばらく激しく泣いていた。
子供が泣いていることなので、いつもの出来事くらいにしか思わないけれど、これが泣いているのが大人であれば、なかなかこんな激しく泣く機会はないなぁ、などと思った。
大きな声で思いっきり激しく泣いたら、何かスッキリしそうな気がした。
そういえば、次男が生まれる前・・・、というかお腹にも宿っていないずっと前、一度激しく泣いたことがあった。
不妊治療に通っているころで、精神的に不安定な時期だった。
今から思えばたいした言葉ではないのだけれど、夫から心ない言葉を言われたことが原因だった。
いっぺんに何もかもがイヤになった。
どこかへ逃げたかったのかもしれなかった。
無意識に玄関へ行き、手当たりしだいに靴を放り投げ、大声で泣いた。
放り投げた靴をまた手に取り、ばんばん!とその辺りを叩きまくった。
ご近所に聞こえるだろうと一瞬思ったけど、冷静な自分の外側に、狂ってしまった私がいて、自分でもどうにも止められなかった。
あまりに大きな声を出したからか、吐き気がした。それで急速にブレーキがかかった。
いつの間にか子供たちの泣き声は笑い声に変わっていた。
あんなに激しく泣いていたのに、子供という生き物はよくわからない。お風呂から出るとパパと3人でブロックを使ってお家を作っていた。
まつげがまだ濡れたままの子供たちの横で夫が私を見た。大変だったよ、というような顔をした。私は少し笑顔を作った。
あの時の私を、夫は覚えているだろうか・・・?
私が言い出さなければ、話題に出ることもなく、過去に埋もれていくのだろう。
私でさえ、今日思い出さなかったら、ずっと思い出さないでいるかもしれなかった。
そんなふうにして、日常のできごとは過ぎ去っていくのだろうと思った。