ローズマリー【子牛肉ロースト】Rosemary ローズマリー子供の頃読んだ本のなかに、「ラベンダーはブルー、まんねんろうは緑」という歌の文句がありました。ラベンダーの香りは知らなかったけれど、いい香りのする花だ、ということは知っていました。でも、まんねんろう?それがわからなくて、この文句をずっと覚えていたのですが、あとになってこれはマザーグースの歌で、まんねんろうはローズマリーだ、とわかりました。でも、どうしてそのあとに「僕が王様になったらお前はクイーン」と来るのだろう、とやっぱり疑問は残ります。 ローズマリーというのは、バラのマリア、ではありません。学名はrosmarinus officinalisで、rosは露、marinusは海のこと。地中海を指します。このあたり一帯がこのハーブの原産地です。中世のイギリスでは、ローズマリーの小枝を黄金に浸したものをリボンで飾り、結婚式で招待客に配ったとか。結婚式!なるほど、これでなんとなく疑問の答になりました? そして伝統的に新年のプレゼントとして利用されているとのことです。新年の御呼ばれやお客様にさっそく使えそうですね。 春から夏にかけて、挿し木で殖やすことができますので育ててみましょう。水はけのよい砂地に挿してみてください。うまく育つと人の背丈ほどにもなります。枝は硬く、木のようになり、病虫害にも強い常緑の潅木に育ちます。 新鮮なローズマリーの葉は1.5cmほどの針状で、そのままローストの肉にまぶしたり、お茶パックやガーゼに包んでスープの香り付けに使ったりできます。刻んでサラダドレッシングに隠し味程度に加えても美味。ラム肉との相性は抜群です。肉料理を盛り付けるときに、小枝をそえて盛り付けて移り香を楽しむようにするのも気がきいています。 薬効もあります。エッセンシャルオイルをアーモンド油(食品として市販されている)に混ぜて使います。殺菌、消炎によく、偏頭痛や肩こりによる頭痛、気分の落ち込みや脱力感にはこめかみに、リュウマチや筋肉痛には患部に擦り込んでマッサージします。お風呂に入れるときは、最初に蛇口の下に垂らし、勢いよくお湯を注いで攪拌させます。ハッカのような刺激がありますので、目や粘膜に直接触れないように気をつけて使用してください。 【子牛肉のローズマリー風味焼き】 生のローズマリーが手に入ったら作ってみましょう。ほかの肉でももちろんできます。写真はラックオブポーク、豚のあばらというのかな。家族の人数にあわせて肉の大きさも調整してください。 分量はあくまでも目安です。 脂身の少ない子牛肉 1kg 生のローズマリー 6~7本 にんにく 20片 塩、こしょう オリーブ油 大さじ4 にんじん 2本 たまねぎ 大1個 トマト 3個(なるべく赤いもの) 生のキノコ類 500g 白ワインかスープストック(必要であれば) オーブンは180℃に熱しておきます。 肉はきちんとまとめて、糸で縛り、全体に包丁の先で切り込みを入れておきます。 にんにく5片をたてに細く切り、先をちょっと塩につけて切り込みに差します。ローズマリーも小房にわけて、同様に差し込みます。 全体にオリーブ油大さじ2を擦り込みます。 ロースト用の受け皿(厚手の天板か、アルミの使い捨てのものでもOK)に乱切りにしたにんじん、にんにく10片、ローズマリー数本をばら撒くように敷き、ロースティングラックに肉を置き、オーブンで1時間半焼きます。 オーブンバッグを使う場合は、バッグの中に小麦粉を入れ、空気を入れて口を手でしっかりつかみ、上下に振って粉を内側にまんべんなくつくようにします。一呼吸おいてから袋を開けます。(すぐに開けると粉が飛ぶよ~) 袋の中に野菜を置き、その上に肉を置いて、肉から5センチのところで袋の口を閉じ、あまった部分を切り落とします。空気穴を開け、これを天板の上に置きます。 1時間15分焼きます。(肉の大きさによって、焼き時間は調整してください。) 焼いている間に、ソースを作ります。 残りのオリーブ油をフライパンに熱して、たまねぎをソテーします。できれば20分くらいかけて、ゆっくり色づくようにソテーします。残りのにんにく5片をみじん切りにして加えます。次にトマトを刻んで加え、強火にします。トマトとたまねぎが溶けてペーストになるまで炒めます。 きのこ類を加え、これに火が通るまで混ぜながら弱火で炒めます。 肉が焼けたらラックから取り除き、ベースにたまった脂を捨てます。肉汁は取っておきます。 オーブンバッグを使った場合、肉汁はたくさん出ます。袋の端を破って、中の肉汁を器に受け、脂を捨てます。 グレービーセパレーターを使うと便利です。 肉汁が少なければ白ワインかスープストックを加えます。 これをそのまま火にかけ、底にこびりついたものをはがすようにします。きのこのソースを加え、暖めます。このまま保温しておきます。 肉をスライスし、ソースをかけていただきます。
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