カテゴリ:美術館・博物館の話
東京藝術大学大学美術館 10月15日(日)まで
「日曜美術館30年展」 芸大美術館って、正式名称に「大学」が2回つくんだ・・・。初めて知りました。 1つじゃだめなんでしょうか。「ジョンソン&ジョンソン」みたいなこだわりがあるのか? 30年も続いた番組「日曜美術館」で紹介した作品を展示・・・って、また随分と範囲が広いテーマです。西洋あり東洋あり、絵画に彫刻に陶器に漆芸に染色あり、19世紀あり1990年代あり、何でもあり。 知らない画家の絵もたくさんありました。この機会がなかったら、ずっと知らないままだったかも。そういう偶然の出会いも面白かったです。 展示の中で、特に好みだった5点を挙げますと、展示順で 1 小川芋銭「水戸浦のカッパ」 墨でぐだぐだ描いた、四つんばいのカッパの絵。下手なのか上手なのか、「私でも描けそう」と思わせる良さがあります。カッパって4本足でいるとワニガメに見えるのね。 2 菱田春草「落葉」 秋の林の中を描いた屏風、木の幹と根元を数本描いただけなのに、季節も空気の肌寒さも林の密度も何もかも現れていました。こんなに上手なら、仕事も楽しいでしょうねぇ。 3 平櫛田中「禾山笑」 平櫛田中というと、生き生きとした、ちょっと面白い木像人物彫刻の人って印象ですが、この木像もそうでした。笑っているお坊さんの像。この彫刻家、生家の名字が平櫛で、養子先が田中だったから、こういう作家名にしたってなんでも鑑定団で言っていたような。確か。 4 棟方志功「二菩薩釈迦十大弟子」 勢いがあって良いです。目の位置があっちこっち飛んでいようと気にしない。きっとこの十大弟子達、滝に打たれ過ぎて顔の型がこんなになっちゃったんでしょう。 5 田中一村「ガジュマルにトラフズク」 田中一村が展示に加わっているからには、やはり五指に入れざるを得ません。今回の展示作品で家に持って帰りたいと思うのはやはりこれ。発表するあてもなく、見てくれる美術商も来ず、貧乏しながら何を思ってこんなに細かく描いたんでしょうねえ。 番外 丸木スマという人の絵が強烈で忘れられません。なんじゃこりゃーです。これで良いのか、どこへ行っちゃうのかこの人。抽象画でもないし、シュールレアリスムとも、フォービズムとも違うし。狙っていないのにこうなってしまう感じは、「記憶スケッチアカデミー」の投稿作に近いかも? HPはこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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