カテゴリ:Degustation
今日は少し趣向を戻してワインについて。 この村についてLavalleやC. Rodetといった謂わばブルゴーニュの名声を築いた歴史家は素通りして彼らの著作に記述が無い。Danguyが手元に無いので確かめられないが、多分記述がないだろう(これは後日確認する)。1860年のCAB(ボーヌ農業委員会)ではその畑の全てが現在の村名に相当する4級とされていて、余り評価が高くなかった事が判る。何故それ程評価が低かったかは推測になるが、村自体の歴史的な価値や、 アリゴテとgamay(この村のその名を冠した部落があり、多分発祥の地だろう)など劣等とされた品種が中心であった事、ちょっと引っ込んだ目立たない所にあったこと (現在でもこの村まで足を伸ばすワイン通はあまりい無いだろう)等、色々考えられるが、現在でもMeursault, Puligny, Chassagneの陰に隠れてあまりパットとしない。現在この村のほぼ4分の3は1級でクリマは29あるが余程のブルゴーニュ通でもせいぜい4〜5位しか言えないのではないだろうか? それは、スターとなる作り手がいないというのが大きいせいだろう。 この村で少し知られた作り手といえばMarc Colin位しか思いつかないがその彼もMontrachetやBatardが有るから知られているのであり、この村のワインが主力だとはあまり知られてないのではないか?他にもまずまずの作り手はいるが余りにもマイナーだ。 このブログでも前に書いたこの作り手、果たしてこの村をしょって立つ事ができるだろうか?ほんの僅かのCriotとPulignyを除いては殆どがこの村のワインだ。そしてそれはどれも香りが淡く酸、果実も上品できちんと縦切れして、全く隙がない。 この密植のキュベは 確かに普通キュベよりも凝縮度が高くマチエール、ストラクチャー共しっかり作られていると思う。酸の陰に果実が隠れがちで、還元的ということもあり、抜栓直後は大人しめでどうしても訴求力が弱いが、数時間経つ頃から酸がほどけ始めるときっちりと果実を感じる事が感じる。今は少し閉じ気味だが数年先素晴らしくなるだろう。 難を言えば、LafonやCoche-Duryのような強烈な個性が無く、短時間で飲みきってしまうワイン会では線が細くちょっと訴求力に欠け、はっきり言ってPulignyのGCやMeursaultの1級のような華がないような気もする。かといってその繊細さは格別で数日かけて家でじっくりと飲むワインに相応しいように思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Qさん、毎回示唆に富んだ内容を面白く拝見させて頂いています。
このユベール・ラミーの[Derriere chez Edouard]は白も赤も造っているようですが、歴史的に白も赤も一級の畑なのでしょうか? (マット・クレイマーの本にはサントーバンの地図は出ていないので、良く判りません。) Qさんの前掲のブログでは、この2014の白を飲まれていたようですが、この2013は赤ですか、白ですか? 私は赤を飲んで、今のところユベール・ラミーは赤に好印象を持っています。(白は2014のアンレミリィーしか飲んでないですが) 確かに、ユベール・ラミーの白はインパクトは弱く、香りも弱い感じがします。そして、白は赤に比べると短時間で空けてしまうので、 真価が発揮される前に飲んでしまったかもしれません。 ユベール・ラミーの白は2013があるので、今度時間をかけてゆっくり飲んでみます。有難うございます。 この赤は、いずれ拙ブログに掲載する予定です。 追伸:タイトルにあるH.D.とは密植のことでしょうか? (Derriere chez EdouardでなくEn Remillyになっているのは愛嬌かと ) 私が飲んだ赤には、この表記はないので、やはり白ですか? 白だけ密植しているのでしょうか? 何か理由があるのですかね。 (2018/01/10 11:24:12 PM)
Echezeaux14さんへ
まずはクリマ名の間違い指摘ありがとうございます。前の書いたのが自動で出てきたのを上書きせずにそのまま使ってしまいました。後で訂正しておきますね。 さてSt. Aubinの赤白ですが、Lavalle, Danguy et Aubertin, C. Rodier等の著作から見ると、白はMontrachet等Pulignyの一部を除いて、歴史的にブルゴーニュは殆どが赤だと容易に推測され、St. Aubinも殆ど赤で、多分その名からGamayが多かったのではと推測します。CABの1860年の格付けが低いのも多分それが理由でしょう。そしてこれも推測ですがCorton Charlemagneと同様phylloxera後に特にPulignyと丘続きの地区にCharnonnayが植栽され、評価が上がり、現在の1級になったのではないでしょうか?実際この地区はPuligny同様、地質的にも白が向いているとのことです。 後、粉のワインは白です。赤はクリマが赤く書いてありませんか?確かにこの作り手の赤もチャーミングで良いですね。ただ白屋の赤としてはどうしてもCocheやRamonetに負けてしまうようにも思いますが。 (2018/01/12 05:23:02 PM)
Q_さんへ
詳しいご説明を有難うございます。 白屋の造る赤はどうしても色が薄くなる傾向がある気がします。 私が飲んだ赤もかなり薄く、抜栓する前には、もしかして色と思ってボトルを透かして見た程です。 抽出が軽めになるからですかね。 ところで、H.D.(高密植)ですが、某ショップでH.D.付きとなしの両方を売ってましたが、H.D.付きは"なし"の3倍の値段になっていました。 そんなに差があるのですかね? ただ、希少なだけなのか、それだけの品質と労力と思いが込められているのですかね。 これが市場の評価なのでしょうか? (ドーヴネあたりで造ると、サントーバンでもこれくらいの価格になるかも?ですね) (2018/01/12 09:32:47 PM)
Echezeaux14さんへ
白屋の赤は場所柄Chassagne, Saint Aubinが多いのでそういう感も有りますが。LafonやCocheの赤(Volnay, Pommard)は結構強いので一概に言えないように思います。 書き忘れましたがHDは白のこの畑とピュリニーのクリマ、どちらも少しだけやっているみたいです。pre-phyloxera前の植栽を試す実験なんでしょうね。値段3倍ですか。ちょっと高すぎの感も受けますね。レア物のプレミアム付いてるのでしょう。価格考えたら樹齢の高いFrionneが良いかもしれません。 ドーヴネで作ったらHDの3倍はするでしょう。比較的リーズナブルなRamonetで十分ですね。 (2018/01/12 11:57:02 PM) |
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