90年代前半までは間違いなく最高の作り手の一人だったが、代替わりしてからはどうだろう?勿論このドメーヌも他に漏れず値段が高騰(というか爆騰に近い)している。ネゴスを始めRSVを取得して名声は高まっているがどうも個人的にはどうも感動しない。という感心すらしない。先代が淡くニュアンス溢れる作りだったのに対して今のこのドメーヌはどのクリマを飲んでも果実味が厚くmonolithic な印象を受ける。 熟成させれば良いのかもしれないが、もうそこまでの忍耐力も無い。
さてそのドメーヌだが先代とは裏腹に白は中々良いのでは無いかと思っている。先代のDruidはParkerなどからあまり評価が高く無かったが個人的には綺麗な酸と淡い果実が印象的で手頃な価格もあり良く飲んでいた。その白だが代替わりして更に良くなった印象を受ける。特にMSD Blancは樹齢が高くなってきて(1985年植樹)matièreに深みが出て来ているように感じる。(因みに個人的にはこちらの方がMont Luisant白より良い印象がある。Mont Luisantは樹齢が若いせいかmatièreが疎だ)。
さて、前置きが長くなったがこのワイン。香りこそ少し弱く味わいも複雑さは無いが、果実は瑞々しく可憐な果実。 雑味や厚ぼったさは無く、終盤にかけて心地よい酸が綺麗に消えていく。CdNの低地で作られる厚ぼったいレジョナルブランとは大違いだ。日常のワインとしては十二分に素晴らしい。見かけたらお勧めだが、実はレア物だ。0.19hectaresだからまあ、3〜4樽程なので市場で見ることは中々難しいだろう。まあ、MSDでも十分楽しめるからそっちでも良い、と言ってもちょっとこちらも高くなってしまったのだが。