テーマ:今日のワイン(6005)
カテゴリ:Degustation
少し間が空いた。
今流行りと言われているこのワインを飲んで考えてしまった。畑はHCdNにあるそうだが、アルコール度は10%。自然派という事で補糖をしなかった結果だろう。香りは弱く、酸が突出している。果実は赤いのだがいかんせん薄すぎる。勿論樽からのエピスも全く感じられない。勿論アグレマンは取れずVdF扱い。所謂ビオワインでも所謂ブルゴーニュでも無く、個人的には薄いヌーボーと言ったところだろう。まあ、個人的な感想なので捨て置いて欲しいが。検索を避ける為に敢えてワイン名は載せない。写真はイメージ。
私が今まで見た中で、ワイン作りに憧れて数年の下積みを経て他業種から参入したり、有名どころでスタジエをして(大抵は2〜3年で本当の下働きだ)小さな畑を買い(多くは日本を含めてクリマ的に疑問視されるところだ)直ぐ様、素晴らしいワインを作りはじめたというのは酒屋のメルマガのセールストークだけにしか存在しない。DRCや女史等、既にEstablishされた権威へのアンチテーゼとしてのスーパーヒーローを求めているのだろうがそういうスーパーヒーローは残念ながら存在しない。故Jayerを始めとするEstablishされた作り手に拮抗出来る真のスーパーヒーローと言える個人の作り手はそのようなセールストークとは対極に寡黙に素晴らしいワインを作ることだけに専念するように思える。
ブルゴーニュワインの高騰で弾かれたワイン好きがこのようなワインに惹かれる心理は理解できる。作り手との近い距離、レア感(ブルゴーニュを極めればレア性と質には余り相関性は無いという事が分かるだろう)、物語性(多くは人工的なものだが)が有り、且つaffordable(結構高騰したが背伸びすれば買える値段)であるからだ。言い換えればこのようなワインはEstablishされた作り手が現在進行形で生み出しているバブルの恩恵によって跋扈しているだけに過ぎない。
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お久しぶりです、Qさん
お待ちしていました(^^ゞ 他の様々なものにも言える事のように思いますが、しっかりと確立されてきているものにはこの記事で書かれているようになかなか近道は無いように思われます。ぱっとスーパーヒーローを望みたい気持ちは解らないでもないですが、探せば探すほど迷えば迷うほど、そういうものが無い事が判る気がします。 過去に回り道をしてしまっても近年基本に立ち返る生産者がほんの少しだけ見られるようになったのは喜ばしいと思いますが(もちろん基本的には日本酒の話で申し訳ありませんけど) (2019/04/03 05:09:08 AM)
みりんさんへ
ご無沙汰しております。状況は日本酒もワインも変わらないのではと思います。寡黙な職人気質の作り手が減って良くも悪くも日常のように飲み手にSNSで発信したりメーカーズディナーを頻繁に行って「会いに行ける作り手」を目指している人、多いですよね。 そして問題はそういう作り手を商業的に利用する「売り手」の存在です。 (2019/04/21 04:20:23 PM)
Q_さんへ
私たちが接している世の中は基本的に商業的であるので仕方がない面はあるかと思いますが、SNSの広がりでその悪い面が加速されたように思います。声の大きい嘘吐きに先導されてどんどんと・・・。ただ、一部にはそれを良しとせずに良い流れが見えるようにもなってきましたので、そちらには目を向けて行ければと思います。 山ではない所で頂点を目指しているかのように先導する虚飾に塗れた現実を嘆くよりも、山頂に上った後で下山する景色を楽しむ方が私達には向いているようにも感じます(微笑) (2019/04/21 07:38:27 PM)
みりんさんへ
お返事遅れてすいません。色々とセールストークは聞きますが、正しくその通りでそういうスーパーヒーローいうのは結局いないのですよね。結局のところ地道に行くしかないのですが、そういう地道に行く人って全く無欲なので知られないことが多いのが悩ましいです。 (2019/05/23 07:53:37 PM) |
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