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Terroir

2020/08/29
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カテゴリ:Degustation


日本人に生まれて良かったなと思う事は侘び寂びに代表される儚さを理解する能力が有る事であろう。人生は有限で有る事を悟り、簡素、貧素、枯槁、幽玄なものを愛でる美意識。大玉の打ち上げ花火は美しいが、線香花火の一瞬の煌めきの儚さに真理を見る事が出来る。平家物語や枕草子に代表される諦観がDNAに入っているのだろう。この価値観ばかりは西欧の絢爛豪華を旨とする価値観とは全く対極にあるように思える。この儚さという言葉一つを取ってみても英訳するのは難しい。fragilitytransience, transitoryなどという言葉が浮かぶがどれも表面的で精神性、美意識には言及しない唯物的な表現で有るように思える。

 

閑話休題、今日のワイン。有り触れたレジョナルだが、中々素晴らしかった。10余年経っているが元々抽出が弱めだったのだろう。淡いがクランベリーを思わせるチャーミングな酸が有る高いトーンの赤果実。キノコや下草、エピスのようなニュアンスは全く無く、素晴らしく純度が高い。あくまでもフェミナンで他の凡庸なレジョナルのように鈍重さはない。良い意味で線が細く儚さを感じる。少し感動してしまった。

 

普通CdNのレジョナルと言えば大抵は国道(県道D974)の反対側に有る畑から作るのが殆どだが、そういえば、ここのレジョナルはVougeotNSGChambolle村の畑をブレンドしていた筈。それが故に出自の良さ、バランスの良さが感じられるのだろう。作りも他のキュベと全く同じ(多分新樽は違う)だ。個人的にはVTによってはここのVR村名を凌駕するように思う。

 

侘び茶の開祖とされる村田珠光によれば「茶の湯を学ぶ上で一番悪い事は慢心、我執の心を持つ事で有る。」との事だ。彼の書を読むとかなりワインにも通じるものがある。裾物にもきちんと向き合い、その儚さを慢心なく尊ぶ事が出来て初めてワインは精神性を持ちワイン道となるように思える。







Last updated  2020/08/29 04:53:24 PM
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 Re:Bourgogne 2008 (R. Sirgue)(08/29)   みりん さん
こんにちは、Qさん

5年以上前だと思いますが、ワインバーで同様の10年以上前のバックヴィンテージを飲む機会があり、その繊細でトーン高く感じる儚く美しい味わいに感動しました。ゴージャスでも何でもないですけど、こういうのが好きな自分に日本人で良かったと感じたりすることがあります(^^ゞ

ワインバーでこうしたワインを経験することも少ないので、味わいとは逆に“強く”印象に残っている一本でした。 (2020/08/29 05:06:20 PM)

 Re[1]:Bourgogne 2008 (R. Sirgue)(08/29)   Q_ さん
みりんさんへ

こん××は。優れた広域アペラシオンのワインって繊細さが有りますよね。繊細さはまだ多数の欧米人にはわからないと思います。

そのワインバー、中々やると思います。広域ワインを何年もきちんと寝かして最高の状態で飲ませるってある意味では商業的なセオリーと逆で実際にやるのは難しいのですが、中々心意気のあるバーですね。機会があれば私も連れて行って下さい(微笑) (2020/09/12 04:00:55 PM)

 Re[2]:Bourgogne 2008 (R. Sirgue)(08/29)   みりん さん
Q_さんへ

ワインに限らず繊細さというのが、結局は美しいと感じる味わいには重要でないかと思います。欧米人に限らず日本人の多くにももう感じられなくなっているような気がしてなりませんが・・・。海外暮らしの長い日本人の方が、もしかしたら甘味とうま味擦れしていなくて、繊細で自然な味わいが楽しめているのかもしれませんね。

ワインバーですが、マスターも年齢が上がっていて、後継者が居ない事もあり在庫も減らしつつあるようで、収束しつつあるように思われます。以前のようにバックヴィンテージが出ることもないので、思い出の中へしまっていく頃なのかもしれません。残念ですが。 (2020/09/14 02:57:34 PM)

 Re[3]:Bourgogne 2008 (R. Sirgue)(08/29)   Q_ さん
みりんさんへ

確かに日本には旨味を味わうという文化が有りますが、そのため化学調味料が発展し、それがコストや時間の点から天然の旨味出汁を駆逐しまう結果になっていますからね。海外でも有る程度発展した国はマギー等、お手軽な化学調味料に頼るところも多いです。唯一感動したのがラオスの山奥で栗鼠を干してそれを戻してスープを作っていた事で鰹節と同じ発想でびっくりしました。そんなラオスの山奥でも徐々にタイから化学調味料が入ってきてますが。。。

安価なワインを適当に寝かせて状態をよくして出すというのは良心的だと思いますが、良心的な故に商売的には儲からないように思います。特にコロナのこの時期はワインバーは大変でしょうね。残念ですが、やはりそういうところは無くなっていくんでしょうね。
(2020/09/19 11:22:32 AM)

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