対策グッズ充実 花粉症、子どもも増加 富山新聞
スギ花粉の飛散がピークを迎え、石川県内のドラッグストアなどでは、子ども向けの対策グッズや医薬品を充実させる店舗が増えている。日本人の3割を悩ませる「国民病」は近年、全国的に低年齢化が進行。専門家は子どもの免疫バランスの低下が一因と指摘しており、大人と同じように予防に苦心する子どもが増えているようだ。
花粉症は国内で注目された1970年代、患者は子どもが少なく「大人の病気」とされた。しかし、近年は子どもの花粉症有病率が急増。全国の専門医でつくる鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会によると、子どものスギ花粉の有病率は、1998年は5~9歳で7%、10~19歳で20%だったのに対し、08年はそれぞれ13%、31%に増えている。
ダイコクドラッグ金沢香林坊店(金沢市)では、通常より一回りサイズが小さく、イチゴとブドウの香りがついた5~9歳対象のマスクを用意。2月下旬から並べたところ、買い求める母親が目立っている。
県内で38店舗を展開するシメノドラッグ(同市)では、匂い付きのほか、キャラクターがプリントされたマスクもそろい、担当者は「取扱商品は確実に増えている」という。
マスク以外の予防薬でも子ども向け商品が登場しており、クスリのアオキ金沢浅野町店(同市)では今季、鼻の中に塗って花粉をブロックする薬で、子ども向けにイチゴの香りを付けた商品の取り扱いを扱い始めた。
低年齢化の背景として、金沢医科大の三輪高喜教授(耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科学)は、花粉飛散量が増えたことのほか、子どもの身の回りの環境が清潔になり過ぎて免疫のバランスが崩れ、花粉などに対するアレルギー反応が過敏に出るようになった可能性を指摘する。
日本気象協会(東京)によると、県内のスギ花粉飛散は先月29日に始まり、今月8日からピークを迎えている。飛散量は平年並みで、多かった昨季と比べると50%未満という。