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2021年04月14日
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カテゴリ:ご当地グルメ



 「魚ロッケって何?」。佐賀県唐津市の居酒屋で食事中、友人が首をかしげた。地元では居酒屋メニューでよく見るが、関東に住む友人にはなじみがないようだ。と言いつつ、唐津在住歴2年半の私も味以外の知識は乏しい。記者として理解の浅さを反省し、魚ロッケの正体を追った。

 唐津を特集した観光本に目を通すと、魚ロッケは古くから唐津っ子のおなかを満たしてきた食べ物らしい。まず、同市中心部で製造販売する「藤川蒲鉾(かまぼこ)」へ。

 店に入ると、商品台にずらりと並んだ楕円(だえん)形の揚げ物が目に留まる。きつね色の衣をまとった、これが「ふじ川の魚ロッケ」。厚みはないが、姿形は一般的なコロッケとよく似ている。「魚が主な原料だから魚ロッケです」。6代目の藤川修平さん(34)が笑顔で教えてくれた。

 コロッケが庶民に広がり始めたとされる昭和初期、3代目が考案して売り出したのが始まり。数種類の魚のすり身にタマネギやニンジン、カレー粉、一味唐辛子を加え、パン粉をまぶして揚げる製法は今も変わらない。サクッとかんだ後、素材の甘みとカレー風味の素朴な味わいが広がる逸品だ。カレー粉を抜いた塩味もそろえ、1枚97円。お手頃価格で食べられる。

 「子どもがおやつ代わりに食べたり、サラリーマンが仕事帰りに買ったり。老若男女に愛されている」と藤川さん。北海道から沖縄まで全国各地の居酒屋にも卸すほどの人気だそうで、これは唐津が誇る自慢のご当地グルメだ。と思いきや、「他の地域にも魚ロッケはありますよ」。

 藤川さんの情報を元に探すと、複数のかまぼこ店が魚ロッケを作っていた。

 近くでは市内の「野崎蒲鉾」が「野崎の魚ロッケ」を販売。製法、見た目とも藤川蒲鉾と似ている。「すり身のおいしさを味わってほしい。ビールによく合いますよ」と店主の野崎秀徳さん(66)。隣の福岡県から買いに来る客もいる。

 大分県津久見市では「太田商店」の「太田のぎょろっけ」がソウルフードに。約70年前から地域に根付き、以前はカレー味もあったという。山口県防府市の「岡虎」は半世紀ほど前から「岡虎の魚ろっけ」を提供。担当者は「山口県内ではもっと昔からある食べ物だと思う」と話す。

 さらに取材を進めると、製法が似た商品は他にも。例えば広島県呉市の「三宅水産」が作る「みやけのがんす」、徳島県小松島市の「津久司蒲鉾」が製造する「つくしのフィッシュカツ」がそうだ。どちらも昭和生まれの名物で、香辛料などを加えた魚のすり身にパン粉をつけて揚げている。

 それにしても、こうも共通点がある食べ物が各地で散見されるのはなぜだろう。各店に商品誕生の由来を聞くと、「昔のことだからよく知らない」「創意工夫の中で生まれたのだろう」という返事が多かった。

 だが、「佐賀発では」という声もちらほら。再び唐津の藤川さんに尋ねると、こんな答えが返ってきた。「販売開始時期など歴史を踏まえると、魚のすり身にパン粉をつけて揚げた商品を最初に生み、『魚ロッケ』と名付けたのはうちとも言われている」

 どこかで確証を得られないか。「日本かまぼこ協会」(東京)に聞いてみた。すると「発祥は分からないが、作り方が類似していることを踏まえると店から店に伝わって広まった可能性はある」と担当者。昭和の時代に各地で誕生したのは、コロッケが庶民の間で人気を博したことが引き金ではと推測する。ちなみに「魚ロッケ」は九州地方を中心に使われている愛称だそうだ。

 明快な「正解」にたどり着けなかったが、魚ロッケを糸口にいろんな商品に出合い、練り物文化の意外な一面を知ることができた。ところで、どんな味か気になる。いくつか通販で取り寄せ、食べ比べてみた。

 衣の舌触り、すり身の食感、甘さ、ピリ辛具合…。それぞれ違う味わいがあり、“ギョッ”とするうまさ。どれも似たような味だろうという食前のイメージが裏切られたのは、製法や形にとらわれていたせいか。「うちはうちの味。食べれば分かるよ」。各店が口をそろえていたのを思い出し、思わずうなずいた。









 






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最終更新日  2021年04月14日 08時49分15秒
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