カテゴリ:女優系
PARISはまだ夜明け前、僕は東京で、奈々と同じNETでPARISのPOPを聞いている。彼女はまだ眠りの中で、カフェオレのボールを両手に挟んで、チェックのパジャマを着て、キッチンにいる。僕はバスルームで、彼女に会えないことを、リアルとして悲しんでいた。
彼女のVCHは、彼女の笑顔に溢れているが、あの綺麗な髪の香りもしないし、甘い唇の感触もない。 あれから5年が経っていた。彼女は25歳になった。 僕たちは現代美術館に常設展をのぞいた。美術館に行くたびに女に最近いかなくなってると言われる、美術館に。僕はいつもそのあたりに連れて行かれる。彼女たちは、いわゆる美のなかに自身を置いて彼に自身を鑑賞させた。 僕たちはホテルに泊まりに行くわけでもなくキスをするわけでもなく、かぎりある時間を無駄に会話なく過ごした。 東京文化会館のレストランで、生ハムを食べながら、クラブに行くという僕を、とくにコンビニにタバコを買いに行くように感じている彼女の僕の行動に関与しない様子は執着のなさで、愛の薄さでないと感じた。 「たのしんできてね」 「また来ようね」 そういって別れて半年が過ぎようとしている。 「今度ここに音楽聞きに来ようか」 「ほんと最近クラシック聞きにいってない、うれしい」 僕は先週ブルックナーをアークヒルズで聞きにいった。彼女は副社長秘書で、たまたまつーらんどっとの前で会った。東京は狭い。 そして、夜があけて広すぎるシーツの海に手を伸ばして、昨夜の女がいないことにほっとする朝、僕は少しだけ少年時代のひりひりする年上のお姉さまへの思慕が、あの感じの恋がしたくなっているのに驚く。 彼に生活はなかった。 彼は部屋で製作を続けていた。 その合間に食事をしたりSEXしたり眠ったりした。 彼はずっと製作している。 銀座で飲んでいても取材だった。 彼は存在を希薄にした人生を送っていた。えてしてプロセスより結果というか、富の分配に関心がある女たちが彼をそんな男にした。彼女達に論理的思考能力を要求することはないが、彼女達は彼に結果を要求した。 孤独な彼のそういった背景には、人間を信用することのできない論理的思考を自らに当てはめて、コンフリクトしているだけだった。 彼女達に論理的思考能力を求めるのは野暮かもしれないが、彼にどのような用事があるのかについて、彼は考えてみた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 3, 2005 10:12:30 PM
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