テーマ:☆小説をかきましょう☆(102)
カテゴリ:恋愛都市
まわりこむインターチェンジを、ゆうこのボルボが坂を上りきる。 静謐な車内の、レザーシートにホールドされて、東京を離れていく。 からまった時間を解きほどけなくなると、ゆうこは東京から消えた。 GPSは彼女の位置を世界に広げていく。 どこにいても、なにをしていても、仕事は彼女を離さない。 むだなことだとは思いながら、夜明け前のマンションを後にした。 おきざりにした男たちは、彼女のいなくなったことすら、きがつかない週末の、ありふれた時間の、どうでもいいような社交に、なにか気晴らしを求めている。 「北軽井沢にいく」 祐介の返信はなかった。 午前4時、仕事をしているのか、仕事の内の、酒場なのか。 もういっそ分かれてしまえば、こういったすれ違いの毎日の、不甲斐なさを回避できるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 25, 2005 11:06:12 AM
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