カテゴリ:恩人・マサタさん
病室の窓から外を見ると、 空と大地を鮮やかに照らした夕焼け空が。 それをどうしても見て欲しかった。 目の前のベッドで 痛みから体を起こせないでいる、 コスタリカ時代の恩人の、あなたに。 「定められた終わり。」 「あの日のまま。」 「かがやき。」 「あなたの病室。」 「田舎時間の幸せ。 「幸せのカタチ。」 俺に出来たことは、 デジカメにその風景を撮って、 あなたに見せることだけでした。 「ああ、綺麗だ。」 ちょっとした嬉しさと、 それ以上の悲しさが込み上げてきました。 心の幅を広げてくれる あの鮮やかな夕焼け空を、 同じ場にいながら一緒に見れないことが こんなに悲しいことだとは初めて知りました。 でも、 それは単に俺のわがままで、 体の痛みに何とか耐えながら 必死に話し掛けてくれるあなたを見ていたら、 幸せっていうのは実はシンプルなことなんだ、 ということも、この日初めて知りました。 あなたの口に 耳を近づけないと聞き取れなかった とっても小さな声。 話すということは、 こんなにも難しくて、 話せるということは こんなにも奇跡的なことなんですね。 いつの日か、 声を出すことが出来なくなった時、 きっと夕焼けの美しさや 人間の素晴らしさを伝えたくなる。 だから、 俺も素敵な奇跡が起きるようなことを 目の前の人たちに伝えていきたい。 あなたが俺に、 素敵な奇跡を起こしてくれたように。 きっとあなたは笑うと思うけど、 俺は今こう思っています。本気で。 今度は、 俺があなたに素敵な奇跡を起こしたい、って。 『人との出会いに偶然はない。』 (株)地球探検隊“隊長”・中村伸一 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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写真もこの病室の雰囲気も綺麗ですね。
とても澄んでいて、優しくて、ゆっくりと、静寂で。 何もしなくても私にはもう、素敵な奇跡が起こっているように感じます。 (2006/11/14 10:51:36 PM)
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