心の解決 4
気持ちも落ち着き、午後から学校へ行きました。《もし会ったりしても大丈夫。普通に挨拶できる》そう思いながら、体育館へ入りました。差出人に書かれていた子のお母さんに会ったので、『子供に聞きました。先生にひどい言い方をされたみたいで…嫌な思いと迷惑をかけて本当にごめんなさい。』と言いました。そのお母さんは『なんか、大変なことになっているみたいですね。うちの子は、夜、学校に呼び出されて、ひどい目にあいました。うちの子も被害者ですよ。懇談会の時に文句を言おうと思っています。』と、おっしゃいました。《本当に迷惑をかけてしまった。》と、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。一時間ほどで説明会は終わりました。相手のお母さんには会えませんでした。家に帰って、夕御飯の支度をしていると、玄関のチャイムが鳴りました。なにも気にせず、外に出てみると手紙を書いた子とお母さんが立っていました。『こんばんは。学校で会えるかと思ったんだけど、会えなかったね。』私は、なるべく手紙のことがなかったかのように、気にしていないことをアピールするかのように、明るく言いました。相手のお母さんは、『今、他に手紙を出した子の家と名前を書いた子の家を一軒一軒まわってきたところです。本当に迷惑をおかけしました。この子が○○ちゃんに本当の気持ちを書いた手紙を持ってきました。直接渡したいので、呼んでもらっていいですか?』と言いました。私は子供を呼び、手紙を受け取るように言いました。私は、『私もここまで事を大きくすることになってしまって、本当に申し訳なかったと思っています。本当にごめんなさい。』と言いました。相手のお母さんは、『……悪いことをしたのは、うちの子ですから……ただ、噂は広まってるので…これからは、うちの子が代わりにいじめられるかと思うと悲しくて……ごめんなさい、こんなこと言って…』私は、《私は後のことを考えず、自分の子のことだけを考えて行動してしまったということか。》と学校へ相談をしたことを後悔し、悲しくなりました。なんて言ったらいいのか…しばらく沈黙が続きました。『そんなことになったら本当に申し訳ないので、××ちゃんのことを見ててもらうように学校の方へ頼んでみましょうか。』言いながら、《私は何を言ってるんだ》と思いました。それくらい沈黙が嫌でした。相手のお母さんは『いえ…そこまでしていただかなくても…』と言いました。私は《しまった。変なことを言ったかも。気分悪くなったかな。どうしよう。》と思いました。『もうこれで、このことは本当にお終いにしましょう。そうしないと、子供たちはお互いに、これからも友達でいると言っているのに、困ってしまうことになります。ですから、心配なことはありますけど、もう終わりということでいいですよね?』相手のお母さんは、『ありがとうございます。』と言って、帰って行きました。後はこの先、子供たちの間で何もなければ、きっと《これで良かったんだ》と思えることでしょう。