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ハゲちゃった *すもも*さん
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気の向くままに・・・ ☆☆ちょろ☆☆さん
Jun 18, 2020
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コロナの影響でしばらく自粛のため休業中だった映画館も、マスク着用や除菌、ソーシャルディスタンスを守りつつの再開。
早速この作品を観に行きましたスマイル

当時8歳だった私はこういう出来事があったことを全く知らなかった、もしくは記憶に残っていなかったのだと思います。

学生運動が盛んだった時代。
事情をよく知らないというより理解できる年齢ではなかったので、当時の白黒テレビ画面に映し出されるヘルメットをかぶり角材で武装した大勢の学生が警官(機動隊)と衝突を繰り返し、火炎瓶を投げて辺りが火の海になる光景がただただ恐ろしかった…

この当時だったかもう数年後だったかに母が「この人たち(全共闘の学生)は何を言っても『ナンセンスだ!』しか答えなくて会話にならない」と言っていたのを朧気に記憶しているだけです。

この出来事の一年半後に三島由紀夫は割腹自殺というショッキングな最期を遂げるのですが、今では考えられないことに、当時の週刊朝日のグラビアページには事件直後の現場写真が掲載されていました。
やはり白黒の不鮮明な画像ながらも、床に置かれた三島と介錯をした森田必勝氏の首も写されていたのを当時9歳の私は見たのです。(記憶は定かではないですが、3人分の首が置かれてたような…)

映画の感想です。

正直、討論の内容が高尚すぎてすぐに理解が追いつきませんでしたわからん
(彼らが東大で、私が高卒だからとかそういうレベルの問題でもないと…思う…)

今では差別用語としてピー音が入ったり音声消されるような表現も当時のままでした。今聞くと「うわっ…」と思うこともしばしば失敗
時代背景やら、その当時者じゃなくては通用しないような表現もあったりで、わかりやすいように途中でナビゲーション役の東出昌大さんの説明が入ります。それでも全部すぐに頭に入らない場合もしょんぼり

取り敢えず分かったことは、天皇崇拝者で軍国主義者で右翼の三島由紀夫氏と反天皇旧体制変革を掲げる左翼な全共闘という、真逆の思想と立場同士の対談というのはただでは済まないだろうという事です。

学生達は角材を持ってはいなかったけれど、丸腰とはいえもし一斉に襲い掛かってきたら多勢に無勢で三島由紀夫はフルボッコになることは当然のことだったろうし、中にはそれが目当てで来た人も少なくなかったでしょう。

その中に三島由紀夫は単独で乗り込み(後に彼の側近がいざという時の盾役として潜入していたことが発覚)臆することもなく全共闘論客達とマイクを向けあいながら討論を展開していったわけです。
全共闘側は母が言ってたように何事にも「ナンセンス」の一言で封じ込めることもなく三島氏も決して文豪として尊大だったり驕る態度もなく同じ目線で討論を続けていました。


この作品を2020年に公開することの意義について、プロデューサーの一人である刀根鉄太氏は「今、顔の見えないネットの中では罵詈雑言を言いたい放題という状況になっています。それに比べ、三島と東大全共闘は、非常に正々堂々と言葉の闘いを繰り広げている。現代の人に、まずその潔い姿勢を見てもらいたい(中略)
受け取り方は人それぞれですし、見る人によって、見る日によっても違うと思います。(中略)世代によっても全く違うでしょうけれど,"見なきゃ損する"という事は自信をもって言えます」監督の豊島圭介氏も同じように、今の時代の匿名で罵詈雑言を浴びせあう状況はもう議論ではないと。そして「意見が違っても壇上に上がって面と向かって言葉を真摯にぶつけ合うということこそ50年後の今見るべきものなんじゃないか」と。


たぶん全共闘側としては三島由紀夫を怒らせようと侮蔑の意味で描いたと思われる「近代ゴリラ」とか「飼育料(多分討論会参加費のこと)100円」とか書かれているポスターを見て三島由紀夫が怒るどころか「近代ゴリラ…いいじゃないか!!!」とでも言いたげな笑顔を見せていた場面や、集めた飼育料の半額は俺ももらう権利があるだろうと突っ込むところを見て、私は決して三島由紀夫の思想ややり方に賛同は出来ないけれど、この人はとても豊かなユーモアセンスとかなり大きな器の持ち主だったのだろうと思いました。

途中カットされた部分にはもっといろいろなやり取りがあったでしょうが、スクリーンに映し出された場面には、三島が全共闘側の学生の発言の間は彼の口元にマイクを差し向けて話が途切れたところで、自分が発言しようと引き寄せたマイクを、その学生が発言を再開するとすかさず彼の方に向けてあげる場面とか、その学生が三島の煙草に火をつけてあげる場面もあり、傍目には和やかムードすら感じられました。
決して交わることのない結果に終わったけれども、双方にとって有意義な血の通った討論会だったと思います。

そしてその一年半後、阿佐ヶ谷駐屯地で三島由紀夫と盾の会のメンバー数名が自衛隊市ヶ谷駐屯地にて決起、立てこもりバルコニーで演説する場面。
下の方では多分三島由紀夫を指さし嘲笑してるような自衛官の姿も一瞬映し出されていました。
立場や思想の真逆な全共闘の学生とは血の通った討論が出来たけれど、立場も思想も似ているはずの自衛隊員からは殆どノーリアクションということだったのでしょうか。
それが生きている三島由紀夫の最後の映像となるのでした…



単なる凡人である私は、死んじゃったらそれで何もできなくなるじゃない、これだけ才能も魅力にも溢れた人が、もったいない!としか思えないのです。多分一生かかっても彼の真実にはたどり着けないと思います。


この日はとても暑く、マスク地獄で暑さ倍増していたのでこまめな水分補給を心がけていたせいか頻尿気味で、映画の始まる前におトイレ済ませておいたのですが…しょんぼり
後半部分は尿意との闘いで雫、映画に集中できなくなってしまったのが残念でした号泣
(年とるとおトイレ我慢できないのよ涙ぽろり

もう一度見にいこうかしら…ぽっ


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三島由紀夫が全共闘との討論で語っていた中に「モーリヤック作の『テレーズ・デケイルゥ』という小説をよく思い出す」とありましたが


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と間違えてしまってたわ、恥ずかしい(*ノωノ)


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こちらですねウィンク





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Last updated  Jun 18, 2020 02:36:54 PM
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