円安加速と資産配分
あれよあれよと言う間に154円台に突入。円安が止まりません。輸入物価は円安になった分だけ上がりますので、ほぼすべての物価の値上がりが予想されます。つまり、コストアップインフレが加速する。本日の全国レギュラーガソリンの平均は162.2円/リットルしかし、実際にはガソリン補助金の20.2円が差し引かれているので、補助金なしだど182.4円/リットル。これが現実です。4月末でガソリン補助金が期限を迎えるが、政府は夏ごろまでの延長を検討中とのこと。どうなるかは分かりませんが、無尽蔵にお金があるわけではありませんので、政府のガソリン助成金もいつかは無くなる。リッター200円時代が夏以降にやってくる可能性があるということです。移動にかかる費用が爆上がりすれば、全てのモノの値段が上がります。ここ数日で3.5%円安が進みましたので、全てのモノやサービスの値段が3.5%値上がりしてもおかしくない。大手企業や多くの中小企業も給料が上がっては来ていますが、ここ数年のインフレにには全く持って追いついておりません。現に、インフレを考慮した実質賃金は2.5%目減りしています。可処分所得が減れば、当然消費は抑制されます。家計が支出する消費額の総額は、日本経済全体の約50%以上を占めています。それが下がれば、あらゆる国内企業の業績が落ち込んでいきます。日本の景気はどんどん悪くなるシナリオが見えかくれしております。非常に危険な状態だと思います。景気が悪いのに、モノ・サービスの値段がどんどん上がるわけですから、絵にかいたようなスタグフレーションそのものです。本格的にスタグフレーションになれば、企業業績は圧迫され設備投資を縮小します。人件費も当然圧迫されますので、せっかく上昇基調にある賃金が再び下降していく可能性が高くなる。そんな中、政府は外国人労働者を拡充するため特定技能の枠を拡大しておりますので、安い賃金で働く外国人労働者が激増します。そうなれば、当然日本人の給料も上がらなくなる。賃金が下がり、物価がどんどん上がる。経済崩壊が近づきつつある。んだろうと個人的には思います。政府・日銀としては、何としてもスタグフレーションは避けたい。その時どうするか?円安を止める。これが先決。方法は3つあるとおもいます。①日銀の大胆な為替介入。②短期金利を上げる。③対外純資産の売却①はアメリカとの合意が必要ですので、なかなか難しい②は国内企業がバタバタ潰れますので、諸刃の剣個人的には③が一番いいんじゃないかと思います。日本の対外純資産額は世界ダントツの1位。日本の対外純資産残高は418兆6,285億円(対前年末比+7,204億円、+0.2%)5年連続で増加しています。対外純資産はドル建てで持っていますので、円安が進んだ分だけ、資産額は当然増加します。いまこそ売り時。円安で膨れ上がった対外純資産の一部を売却し、ドルを円に戻す絶好のタイミングなんだろうと思います。なぜやらないのか不思議です。さてさて、マクロな対策としては対外純資産を売るというのが、ベストだと思いますが、ミクロな対策はまた別に考える必要があります。個人で出来る円安時代の対策は資産の半分をドルで持つ事です。幸い税制優遇が素晴らしすぎる新NISA制度がありますので、個人のリスク許容度の許される範囲で、ドル資産を買っておく。具体的にはS&P500やオルカンを持っておく。これにつきます。資産の半分がドル資産の場合、円安のダメージは相殺されますので、プラマイゼロですマクロの対策とミクロの対策は完全に切り分けで考えるのが良いかなぁ~と思います。ここ数日で円安が3.5%進んだということは、ドル資産を持っている人の資産が3.5%増えたことになりますからね。持てる者と持たざる者の格差が広がる問題は資本主義の基本的な原則です。いつも同じ結論ですが、R>Gです。