野菜が高い 台風や長雨、価格3~5割 買い控え広がる 日経 H26.08.29 朝刊
野菜の高値が続いている。都内のスーパーなどではレタスやキュウリ、ナスで昨年より3~5割前後高くなっている店が目立つ。8月上旬の台風11号以降、関東や東北などの産地で雨が続いた。品質のよい野菜の入荷が減り卸値が上がっている。消費者の買い控えも広がってきた。 レタスは5割程度高い1つ230~260円前後の店が目立つ。キュウリも4割、ナスも3割ほど高い。卸値は夏野菜を中心にほぼ全ての品目で前年を上回っている。東京・大田市場の取引価格はレタスが10キロあたり3千円強で前年の約2.6倍、キュウリも5割程度高い。 大雨で水分を吸いすぎカビが生え腐りやすくなっていたりする。スーパーなどでは品質の維持が難しくなっており「本部が仕入れた野菜が返品されることが多くなってきた」(中堅スーパーのいなげや)。 店頭では高値が敬遠され販売が伸び悩んでいる。需要を刺激するため年間を通じて価格の変わらないカット野菜や冷凍野菜の販売を強化するスーパーもある。価格が一定なのは長期の仕入れ契約を結んでいることが多いためだ。 トマトのように出荷が回復し品薄感が解消され始めた品目もある。一方でオクラや大葉は当面、出荷が少ない状態が続く可能性がある。主産地の四国では栽培しているビニールハウスの一部が台風で壊れた。再建に取り組んでいるが人手不足などで工事が遅れ気味だ。 また「タマネギなどでもしばらく品薄感が解消されないのでは」(大手輸入商社)との指摘が出ている。中国産などの輸入野菜を使っていた外食産業で国産に回帰する動きが出始めているためだ。上海の食品加工会社が使用期限切れの鶏肉を使っていた問題や、タマネギでも残留農薬問題が表面化し、輸入野菜の安全性に再び注目が集まっている。