カテゴリ:ホツマツタヱ
「ホツマツタヱ」は偽書だと言われていますが、私は、2005年12月22日の記事(『ホツマツタヱ』~宇宙の原理を表す「アイウエオ」)と26日に書いた記事(『ホツマツタヱ』~日本建国の理念「トノヲシテ」)の理由によってこそ、「ホツマツタヱ」は偽書でないことの照明になっていると思うのです。つまり、この書に盛り込まれた知識といったら、言語学から自然科学から政治学から、全てが矛盾なく一貫しており、それは特定の誰かが勝手に生み出せる産物ではないからです。嘘は必ず齟齬を来すものです。齟齬と言えば、「ホツマ」よりは寧ろ『古事記』、『日本書紀』の方が多いように私には感じられます。私の場合は、記紀を読んでいてどうにも納得できなかった疑問が、ホツマ文献を紐解いて「なるほど!」と氷解したことがいくつもあるので、敢えてそう言うのです。
ホツマ文献を偽書だとする最も大きな理由と思われるのが、ホツマ文献が記載されている文字、つまり「ヲシテ」が48文字しかないという事実です。確かに、平安時代以降、いわゆる「かな」は48文字しかありません。今でも「五十音」と言いますね。が、日本語学者の間で共通の認識になっているのは、万葉時代には48音以上あった、という事実です。確かに、万葉仮名の一部には、現代日本語の五十音のうち、イ段のキ・ヒ・ミ、エ段のケ・へ・メ、オ段のコ・ソ・ト・ノ・(モ)・ヨ・ロ及びエの14音、更にその濁音について、甲類、乙類という2種類の音があったことがわかっており、その2種類は厳密に漢字が使い分けられているのです。そこで、ホツマ文字「ヲシテ」が48音ということは、既にその区別がなくなった、例えば江戸時代の人による創作ではないか、というのです。 しかし、これとて私にとってはナンセンスな話に響きます。何故なら、言語学やそれに関連する音声学を少しでも学んだことのある人であれば、「音」と「音素」とは別物であることは基礎の基礎に属する事項だからです。この言葉を初めて耳にする方もいらっしゃる方も多いかもしれませんね。では、「音」とは何か、「音素」とは何か? 私たちが英語を習い始めてすぐに覚える言葉の一つに「発音」というのがあります。「発音がよくない」とか、「正しい発音を身につける」とかいいます。で、辞書を見ると「発音記号」なるものが載っている……。ところが、学問的には、この「発音」という言葉ほど曖昧な言葉はありません。一体、何をもって「正しい発音」と言うのか? そこで、音声学ではいわゆる「発音」を、「音(音声)」と「音素」とに分けて考えます。「音」とは実際に発音される音、そのものです。そして、「音素」とは、ある言語集団が、「同じ音と感じられる」音の集合、範囲、ということができます。例えば、私たち日本人同士会話していて、私の「あ」と皆さんの「あ」は多少響きが違うかもしれない。或いはどこか訛っているかもしれない。同じ私の「あ」でも、落ち着いている時と、泣いたり叫んだりしている時とでは、実際に出ている音は違うかもしれない。それでも、同じ日本人同士、「あ」なら「あ」として認識できる範囲、それが「音素」です。寧ろ、実際の発話では、同じ発音というのはあり得ません。全く違う音と言ってもいい。それが同じ日本人であれば、ある音は「あ」として認識され、ある音は「え」と認識される、それが「音素」なのです。 この説明の文章で私がしつこく「同じ日本人同士」と書いたのは、言語集団が変わると、その音をどう認識するかは全く変わってくるからです。一番わかりやすい例が日本語の「ら」行の音です。「ら」行の音は私たち日本人には「ら」行の音として、一つの音として認識されますが、例えばアメリカ人からすれば、日本人の「ら」行の音には「L」の音と「R」の音の2種類があると感じられます。逆に、私たちにとってみれば、アメリカ人の「rice(米)」であろうが「lice(しらみ)」であろうが、同じ「ら」行の音、「ライス」であると感じられます。また、アメリカ人が「water」と発音すると私たちには「ワラ」と聞こえますし、「mirror」と発音すれば「ミラー」と聞こえ、どちらも「ラ」の音ですが、アメリカ人ははっきりと前者は「T」の音であり、後者は「R」の音であると感じます。 ここまで書けばおわかりでしょう。どのケースでも、発音されている音は同じものなのです。でもその音をどう感じるかは言語集団によって異なります。恐らく、漢字が輸入される以前の、ホツマ文字「ヲシテ」でものを記述していた人たちは日本語は48音あると感じ、同様に、日本語を漢字で表現しようとした人たち――恐らくその人たちにとっては漢字は母国語であったでしょう――にとってみれば、もっと多くの音があると感じたのではないでしょうか。しかし、結局日本語を表記する文字が48に落ち着いたのは、結局のところ、48音と感じる人たちが圧倒的に多かったからではないでしょうか。 恐らく、万葉仮名は、当時の日本語の発音を忠実に写していることでしょう。が、私がすごいと思うのは、ホツマ文字が何故48音なのかということを、ホツマ文献は自然や宇宙の成り立ちとの関連できちんと説明しているところです。言葉のひとつひとつ、音のひとつひとつが全て宇宙や人間の体とつながっている。音、言葉が人の体に、自然や宇宙に働きかけ、現実を変えていくという、本質的な理解がそこにはあるのです。漢字の日本語への導入により、言葉が音から意味となり、記号となっていった時、言葉はその力を失い、私たちも現実を変える力を失ったのではないか。 「ホツマツタヱ」に触れること、それは、私たちが漢字文化の中で失った、日本語という言葉の持つ力を取り戻し、私たち自身の潜在的能力を取り戻すことなのではないかと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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今まで若い子に金払ってたけどアレだな、人妻相手のほうがぶっちゃけ気持ちよかったよw
http://natuiro.net/md/8mpcutz テク凄いし、全部やってくれるから楽でいいわ しかも金かからん・・・・・・ってか、こっちが貰っちゃってるしww (2008.01.20 23:21:58)
俺の思った通りじゃねーかww
最初の2通はコンピューターだww 後から来るメールはマジもんだよマジw(^ω^) 美味しく素人娘とハメまくったwww http://kazuya.zz.tc/moukeruhanasi/dvxde4i (2008.01.21 14:44:03)
ヲシテはただの文字でも音でもなく、現在もなお日本語を生み出しているみなもとである、という研究成果を本にまとめました「よみがえる日本語」(明治書院刊)です。ご一読くださいませ。
(2009.08.02 09:02:12)
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