現在システム開発の仕事に携わっていることを以前書きましたが、先日こんなことがありました。
私が開発に携わっているシステムをお客さんに引き渡す前に、今いろいろな人が実際に触ってみてテストを行っているのですが、そのテスト中にエラーが発生したのです。この人がやっていたのは、まぁ簡単に言ってしまうと受けた注文に対して、付随的な情報を追加する処理だったのですが、発生したエラーというのはその情報の追加ができなくなった、ということでした。調べてみると、そのレコード(情報)は既に登録されていて、二重登録はできません、という内容です。
ちょっと面倒な話になりますが、このシステムでは情報を編集してボタンを押すと、その情報がデータベースに記録されるしくみです。そして、データベースで管理する時は、同じものがダブらないようにチェックがかかるのが普通です。例えば、よくある顧客情報のデータベースを考えると、例えば私が商品を注文する度に「タンゴ黒猫」という名前が何度も追加されて、それを元にダイレクトメールが来たりしたのでは、管理する企業としても客の側としても、不便この上ないですね。既に登録されているものは追加できないようにしておいた方が、既に登録されている情報を集中的に管理できて便利です。が、顧客情報の場合は同姓同名ということもあるかもしれません。(まぁ、「タンゴ黒猫」という人は他にはいないだろうけど。w)そこで、例えば名前と生年月日を組み合わせて、同じ組み合わせであれば追加できない、というようにしておくと、同姓同名のお客さんにも対応できます。
今回私のところで起こったエラーも、データベースのそのようなしくみの中で起きました。注文に関する情報ですから、当然申込番号はダブります。そこで、申込番号に加えて、処理した日時を秒単位まで記録し、申込番号と処理時間の組み合わせでその情報を特定するようにしてあったのです。
ところが、このテストした人の処理が速かった。付随的な情報を何件か登録していて、ある情報を編集、登録ボタンを押して次の情報を編集、もう一度登録ボタンを押すまでに1秒かかっていなかった。従って同じ申込番号と処理時間の組み合わせができてしまったのがエラーの原因でした。会社としては、処理時間を秒まででなく、ミリセコンド(千分の1秒!)まで記録することで回避するような対応をとることになるとは思いますが……。
それにしてもこのテストしていた人の処理能力の速いこと。実際、音楽やっていたりスポーツやっていたりすると経験することが多いと思いますが、人間、1秒の間にやれることは多いものです。逆に、コンピュータは、調子がいい時はそれこそ千分の1秒単位で処理するのに、ちょっとでもメモリー不足、ハードディスクの断片化などが起こると、ファイルを開いたりコピーしたりするような単純な作業でも何分も待たせたりしますね。場合によっては人間のスピードに追いついて来れない。今回もそうでしたが、私もよくあるのは、私のキー入力にコンピュータがついて来れなくて、IMEやワープロのソフトが固まってしまうことです。そういう速さの時というのは本当にノッていて、一気に長文を打ったりしてますから、固まってしまうと……。そう、それまで打った文章が全部失われてしまい、泣く思いをします。ゆっくり、落ちないようにコンピュータに気を遣いながらまた入力し直さないといけない。
一体、コンピュータは本当に速いのか。というより、コンピュータは本当に仕事の効率を上げるのに役立っているのか。現状はどうもそうではなさそうです。コンピュータを使う方がある種の処理は早く、正確なのでしょうし、例えば私のように音楽をやる人間だと、私一人でできる以上のことを実現してくれるのも確かです。が、同時に確かなのは、コンピュータが処理を終わるのを待たなければならないということ。どんどん先に進みたいからコンピュータ使っているのにね。コンピュータを待っている時間ほど無駄でイライラするものはないですね。実際、ワードもエクセルも便利そうで、それより何よりウィンドウズOSなんて使っていない会社はないと思うけれども、あれを使うことで生じている無駄な時間というのを計算したら膨大な損失を日本全体、世界全体で生んでいるんではないかと思います。にも拘らず、その会社を訴えることもせず、ただ言いなりになって次々と出される新商品を買い続けているというのは人がいいにもほどがあるのではないでしょうか。もしあなたの仕事がなかなか片付かないとしたら、それはそんなコンピュータを使っているからかもしれません。
どんどん世の中の変化が激しく、仕事に今まで以上のスピードが求められる時代、本当に人間が先へ先へと動くのに役立つ、速いコンピュータ、速いソフトの登場が待たれているように思います。
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