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TIFF 学生応援団Officialblog

インタビュー Vo.3

TIFF学生応援団が、映画祭とそこで上映される映画の魅力を学生目線で伝えるために映画祭スタッフなどにインタビューする特別企画。
第3弾では東京国際映画祭の事務局長を務めると同時に、特別招待作品のプログラミング・ディレクターでもある都島信成さんにインタビュー。都島さんに、普段のお仕事や特別招待作品についてや、今年行われる「TIFF ARIGATOプロジェクト」のことなどを尋ねました。





対談:中山真理子(TIFF学生応援団) × 都島信成(第24回東京国際映画祭事務局長)

取材

―映画祭事務局長ってどんなお仕事をされるんですか?

都島信成第24回東京国際映画祭事務局長(以下、都島事務局長):事務局長というのは、事務局全体を統括する立場にいるので、常に各部署のスケジュールや、進行状況の確認をしています。それと同時に、映画祭を引っ張っていく存在として依田チェアマンがいらっしゃるので、依田さんから頂いた方針と、現場とのやり取りの仲介役などをしています。そのために、毎週ミーティングをしたりしていますね。
毎年映画祭では、その年の特徴、今年は「TIFF ARIGATOプロジェクト」といった企画等があるので、それに関しては特に念を入れてやり取りをしています。どういった意図で行うのか、どんな見え方になるのかについては他のスタッフも含め、慎重に考えて行っています。
特別招待作品に関しては、(プログラミング・ディレクターになって)今年で5年目になります。仕事内容は、コンペティション部門などとは違い、国内で公開が決まっている作品の中から、映画祭を盛り上げてもらえる作品を選び、公開する権利を持つ配給会社と交渉を行うことです。盛り上げてもらえるというのは、ゲストにきちんと参加して頂けるか、その会社が映画祭に出品することに乗り気であるかといったことになります。作品選びの際は内容に関して特別な規定を設けていないので、全てはどれだけ映画祭を盛り上げてもらえるかにかかっています。

―そんな今年の特別招待作品のポイントはなんですか?

都島事務局長:まずは、22日のオープニング作品が2本あるということです。『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』に関しては、ミラ・ジョヴォヴィッチさんなどが来日していただけるということでしたが、『1911』に関しても同じでした。ジャッキー・チェンさんの来日も決まり、2本ともキャストの方が来日していただけるということと、今年は特に「日本を応援しよう」ということで世界からの注目も集まっていますし、キャストの方もそういう気持ちなのかなと思い、2本とも上映することに決定しました。他には、毎年邦画に関しては多くのゲストの方に参加し頂いているんですが、今年は洋画からも多くのゲストの方に参加していただけることもポイントの1つです。これも、ひょっとしたら日本に対しての気持ちの現れなんでしょうかね。

取材

―そんな特別招待作品の中から、ぜひ学生に観てもらいたい作品は?

都島事務局長:もちろん、全部観てもらいたいですけどね(笑)。映画は100年以上歴史があるので、何か次につながるような作品を見てもらいたい。今の日本映画は、人気はありますがどうしても、昔の作品につながるようなものは少ないです。そういった観点でいえば、『コ―マン帝国』を観てほしいです。これは、ロジャー・コーマンという500本以上の映画をプロデュースしてきた人のドキュメンタリ―映画なんですが、この人の下で育った映画監督が大勢いるんです。ロン・ハワード監督やあのジェームズ・キャメロン監督やジャック・ニコルソンが若かりし頃に、彼の下で修業をしていたんです。こういう映画を観て、少しでも昔の作品に興味を持ってもらいたい。
他には『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』のヴィム・ヴェンダース監督や『永遠の僕たち』のガス・ヴァン・サント監督も、長い間映画を撮られている名監督なので、また、これらの作品をきっかけに昔の作品を観てほしいですね。

―都島さんにとって、映画祭の魅力は何ですか?

都島事務局長:世界中から映画や映画にまつわるゲストが来て、見られるってことですかね。今まで知らなかった作品や人を発見できることが一番の魅力じゃないでしょうか。少なくとも日本国内で、ここまでのスケールの映画祭はないので、多くの人と接してほしいです。そんな映画の魅力や、東京の魅力を伝えて、海外からのゲストやお客さんに「また来年も来たい」と思ってもらえるような映画祭作りをしていきたいですね。また、無名だった監督が映画祭に何度も参加していくようになって、ファンも増え今では有名になるといったケースもあります。そういった点も映画祭の魅力ですよね。


―今年から始まった学生当日券500円についてどう思いますか?

都島事務局長:今の学生は映画を観る機会はあるものの、観る回数が少ないのではと思い、実行すべきと判断しました。僕は学生の頃、浴びるように映画を観た時期があったんです。そこから、映画に対してこだわりなどが出てきました。映画祭の他のスタッフも同じような経験をしてきた人は多くいます。そういった経験の結果、今ここにいるんです。だからこそ、そういったこだわりを持って作品を観る人を少しずつでも増やしていきたい。これは映画祭だけではなく、映画産業全体の使命だと思います。なので、「500円で映画を観る」ことをきっかけに、少しでも映画に興味を持ってくれる人が増えたらと思います。

取材

―都島さんはどんな学生でしたか?

都島事務局長:大学の映画サークルに入っていました。僕も映画を数本撮りましたけど、サークル活動のほとんどが「観る」が中心で、いつも“たまり場”でサークルの仲間と作品について語ってました。そうですね・・・結果的にいえばテレビとか、3本立てで上映している映画館も含めて1年に、多い時だと300本以上観てました。

―お好きな映画は?


都島事務局長:難しいことを聞きますね(笑)。この前調べたら今まで5000本以上映画を観てました。その中でも、いつも聞かれたときに答えている作品は『或る夜の出来事』ですね。
ロマンチック・コメディーです。アカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・主演女優賞といった全ての賞を撮った作品なんですよ!
監督のフランク・キャプラは『素晴らしき哉、人生!』や『スミス都へ行く』といった作品の監督でもあるんです。しかも、今年の映画祭の特別招待作品の『ステキな金縛り』を観ると、『スミス都へ行く』が非常に重要な役割を担ってるんです。
僕の映画のベースは、チャップリンの映画にありました。親がチャップリン好きだったんです。だから、自然と小さいころから観てました。チャップリンの映画はサイレント・ムービーだけどセリフがなくても分かりますからね。

―5000本も観ていたら、やっぱり1本にするのは悩みますよね。

都島事務局長:そうですね。でも、意外と5000本も観ていると忘れている作品も結構あります(笑)。この前これまで観た作品を整理していたんですが中には、「これ、見てたんだ!」って作品もありました。

―「TIFF ARIGATOプロジェクト」ではどんなことをするんですか?また、どんなことを伝えたいですか?

都島事務局長:東日本大震災を受けて、「自分たちには何ができるだろう」と考えたのがきっかけです。その結果、僕らは映画祭をやっているので映画を通じて楽しんでもらうしかないと思いました。海外に行った時も、「日本は大丈夫か?」とよく言われました。せっかく気にしてもらえる人たちが海外にもいるなら、と思ってやったのがカンヌ国際映画祭での活動でした。監督などからメッセージを頂いたり、募金活動をしました。その際に、ARIGATOバンドをつけるということを通じてそういった活動に賛同していただいた方の気持ちを現わしたいと思いました。
そこが、今の「TIFF ARIGATOプロジェクト」になりました。映画祭に参加していただくこと自体が、被災地のために行っている我々の活動に賛同していただくことになります。そして、募金の行き先でもあるシネマエール東北という被災地での、上映活動に少しでも貢献できるように頑張りたいと思います。

取材

―最後に、今の若い世代に一言お願いします。

都島事務局長:実は、先日行われた記者会見の席で、女優の香川京子さんが若手の役者さんに向けて、何か一言と言われた時に、「古い映画をたくさん観て、そこからたくさんのことを学んで欲しい」とおっしゃっていたんです。学生に対しても僕は、同じだと思います。今の全ての映画は、昔の映画があったから生まれてきているので、特別にこれを観て欲しいというのではなく、とにかく古い作品を観て欲しいですね。
個人的に聞いてもらえれば、お勧めの作品を教えます(笑)。




今回、都島さんとの対談を通じて、多くの人が映画を観る“キッカケ”を作りたい。そして映画の魅力を次の世代に伝えたいという都島さんの熱い想いを感じることができました。
私も学生応援団の一員として、映画の魅力を少しでも多くの学生に発信し、映画祭に脚を運んでもらえるように、これからも頑張りたいと思います。



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