2016/02/21(日)08:58
天文屋渡世
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石田五郎
ハレー彗星が76年周期ということは実は重要なことだったのだ。
「生者必滅、会者定離」の言葉のとおり、出会った人とわかればならないのはこの世の定め。
この冬から春にかけて( 昭和61年)あれほどのフィバーを巻き起こしたハレー彗星も今はただ黙々と太陽系のかなたへ向かって走り続けている。
76年ぶりの回帰というのはちょうど一人の人間の寿命に匹敵する数字で、よほど健康と強運に恵まれた人でなければこの彗星を2度も目にすることは難しい。
なんとこの前地球に接近したのは私が30歳の時だったのだ。
あれから30年、つまりあと46年経たないとハレー彗星は近づいてこない、まあ、私にはあまり関係のないことになるってわけだ。
76年という数でも結局人の人生いっぱいいっぱいで、137億歳の大宇宙にはかなわない。
ただ私が大宇宙の一員には間違いなく、76年くらいの年月に一喜一憂していることもない。