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今日、何読んだ?

2019.08.16
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カテゴリ:冤罪

死刑捏造 松山事件・尊厳かけた戦いの末に (単行本) [ 藤原 聡 ]
 松山事件。
 宮城県警の大失態と伝えられている事件だ。
 冤罪ですな。​
 すると高橋が思わぬことを口にした。
 「だからな、警察に来たらやらないことでもやったことにして裁判の時に本当のことを言えばいいんだよ」
 しかし裁判がどんなものであるのか知識もなくまだ気力も残っていた幸夫は 「これじゃあやらないことでもやったことにしたくなるね。でも俺はやっていないんだからどこまでも頑張る」と受け流した。
​ 上記は警察留置施設内のできごと。
 警察がなんとスパイを仕込んでいる。
 次、アリバイ証言。​ 
 するとヒデは笑い飛ばす調子で「あれ嘘よ。あの晩幸雄は家で寝ていたんだから」 とけろっとしている。
 ヒデは常雄から幸夫が事件の夜帰宅して弟達と並んで寝ていたことを聞いていた。
​ そして古畑誤鑑定。
​ 一体なぜこんな捜査側に傾いた鑑定をしていたんだろうか。
後に多くの冤罪事件で古畑の誤鑑定が度々問題になる。
 さらに捜査側の証拠捏造。  ​ 
 第2に有罪判決の証拠とされた、掛け布団襟当てに付着している血痕は、幸夫の頭髪に付着した被害者の血液とされたが、それがありえないことは明らかで、血痕は捜査機関が捏造した虚偽の証拠であること。
​  本件前に状況を大きく変えたのが弘前大学教授殺し事件。 ​
 古畑をめぐる状況が一変したのが弘前大学教授殺し事件だ。
 発生は49年。
 逮捕起訴された那須隆は古畑鑑定で着衣に被害者の血痕が付着しているとされ最高裁まで争ったが懲役15年の有罪判決が確定し服役した。
 しかし71年に 真犯人が名乗り出たため有罪の決め手となった古旗鑑定を問題視する空気が一気に強まった。
 古畑が75年に死去するとこれらの事件の再審をめぐる動きが加速し再審開始が次々と決定して行ったのだ。
​ 真犯人が名乗り出て、次、極め付きの判決。
 小島裁判長は判決理由で宮城県警の捜査のあり方について嫌疑十分と言えない被告人を捜査員が物盗り犯人との見込みで別件逮捕したことに始まり見込みに沿う自白を獲得したが容疑に関連するとされた事実は客観的証拠によればいずれも関連性に乏しいか裏づけが不十分なものであり犯行現場の状況も物盗り犯人と想定した時には説明しきれない疑問点が存在すると批判した。
​ いわゆる見込み捜査について大批判を展開している。
 見込み捜査はフェアでない方法だが当時は大手を振って使われていた捜査手法なんだろうな。
 本件は見事に冤罪とされた事案だが被告の損害は賠償額でも賄いきれなかったという。
 弁護料などに大きな費用がかかったらしい。
 冤罪の温床はまず捜査側にある。
 本件では見込み捜査を指摘されている。
 更に自白偏重。
 自白は証拠の王とまでいわれていた。
 21世紀に入り司法は大きく変化している。
 自白そのものの価値が大きく変化したということに直結している。
 つまり捜査側の価値も大きく変わったということである。
 自白を得る捜査がいいのではなく有罪を勝ち取るための証拠の収集が重要になったということだ。
 そして司法はこの自白偏重の弊害から脱するため自白を重要視しない流れになっているとも言えよう。
 いずれ警察が録取した被疑者供述調書は証拠採用されない時代が来ることになるのかもしれない。
 本件宮城県警の見込み捜査の大ミス、そして2003年の鹿児島県警志布志事件で、いわゆるなし割捜査のアンフェアな捜査手法の否定、これは、捜査の方法を大きく変えたことでもあるが、それに、曖昧な鑑定の否定も含め今後も無罪判決は増え続けることになりそうだが捜査側にはどうか真実を求める姿勢を崩さず粛々と捜査していただきたい。
 真実を求めることが刑事訴訟法の目的でもあるからだ。






最終更新日  2019.08.16 07:33:17
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