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2021/05/17(月)05:08

絶望しそうになったら道元を読め

仏教(521)

​ 絶望しそうになったら道元を読め!〜『正法眼蔵』の「現成公案」だけを熟読する〜【電子書籍】[ 山田史生 ]​  アルボムッレ・スマナサーラ師が般若心経は間違い?において指摘した、不生不滅が単なる言葉遊びだ、ということについて本書で著者は道元の理論を、薪と灰に比して説明する。  背景には、薪を燃やして灰になるという連続の現象がある。  道元はそれを薪は薪、灰は灰としてそのことを不生不滅だとする。  アルボムッレ・スマナサーラ師によればそれこそ言葉遊びだというのだろうが、師の言う縁起による我ということを考えると、けだし道元禅師のおっしゃっていることは言葉遊びでもなんでもない真理だということだと私は思う。  すなわちここで道元禅師がおっしゃる薪と灰の比喩は、薪が生、灰が死を意味するのだ。  私の生は生、死は死だ。  いやその私ということすら間違っている。  私はどこにもいない。  生は生であり、死は死である。  薪は薪であり、灰は灰なのだ。  その逆はありえない。  つまり灰が薪になることはない。  私ではない私は生を思い存分生きたらいい。  死は死として厳然とある。  ただそれだけだから、不生不滅なのだ。  このことは断じて言葉遊びではない真理だ。  だが、アルボムッレ・スマナサーラ師の言うこともわかる。  仏教を薄っぺらに議論することなく、きちんと論点を整理すべきだと本書を読んで私は思った。

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