比べず、とらわれず、生きる
比べず、とらわれず、生きる【電子書籍】[ 枡野俊明 ] 道元禅師は,生死を明らめるはこれ仏家の云々として,生死について考えることも仏教信者の仕事なのだと言う事をおっしゃられた。 本書においては,その生死についてきちんと考え始末をつけないと大変なことになるぞという教えがそちこちに書かれている。 人は死ぬものだということを自覚したうえで今与えられた命を大事に育めというのだ。 まずもって, 何百年、何千年も前から、多くのご先祖様がご縁を結び、そして一つの命を授かった。 そしてその命は、いずれお返ししなくてはいけません。 その命をお返しする場所を仏教では「仏国土」と呼ぶのです。との覚悟が必要だ。 大事に育みお返しするときにお返しするということ。 そもそも禅には, 禅の世界においては、過去と未来は存在しません。 ただあるのは「現在」という時間だけです。というのだ。 もっと極端に言うと,生と死しかないともいう。 だから, 「日日是好日」という有名な禅語があります。 「毎日が良き一日」という意味ではありません。 一年の中で晴れの日もあれば、大雨の日もある。 晴れの日が良い日で、雨の日が悪い日ということではない。 晴れの日には晴れの良さがあるし、雨の日には雨の良さがある。 そう思うことで、毎日が自分にとって良い一日になるという教えなのです。というような心構えが必要なのであり, まわりに落ちている、たくさんの幸せをかき集めて、それを心に感じてください。 小さな幸せをたくさん感じながら生きてください。 その積み重ねこそが、幸福な人生への道筋になっていくのです。として生きているうちは幸福をかき集めて感じろ!というのだ。 なかなか難しい問題ではあるが,生死に関して一歩進んだような気にはなった。(6/15記)