預金バカ
預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている (講談社+α新書) [ 中野 晴啓 ] 著者によれば投資が全てだということだ。 ちなみに投機と投資は違う。 投機とは、簡単に言えば短期トレードのことです。 FX(外国為替証拠金取引)などがまさにその典型ですが、為替だけでなく、株式投資でも短期のトレードは投機です。 投機は、得をする人、損をする人がいて、全体でプラスマイナスゼロになる「ゼロサムゲーム」の世界です。 誰かの利益の裏には必ず誰かの損失があります。 ということだ。 投資は長期にわたってお金を動かすことでそれなりの利益を得るということである。 本書でかなり強調しているのは銀行を信じるなということ預金は目減りするということである。 それは実によくわかる。 しかしわかっていながらその幅が一番低いと思われる銀行預金を塩漬けしているのが多くの国民の経済的意識ではなかろうか。 あとは、投資信託と預金のバランスですが、私の場合、預金をほとんど持っていません。 資産の大半は、6本のファンドに分散投資してあります。 預金は、日常生活に使うお金さえあれば十分。 仮に普通預金に100万円というまとまったお金を持っていたとしても、それは無駄に寝かせているのと同じです。 定期預金もしかり。 預金は当座に必要な資金、たとえば 10万円程度あれば足ります。 「預金って、それだけでいいの?」と不安に思う方もいると思います。 でも、私はこれまで何年も、このパターンで生活していますが、とくに問題を感じたことはありません。 それに、投資している6本のファンドはいずれも自由に解約できるタイプなので、必要とあらばファンドの一部を解約することで、生活資金の手当ては十分にできます。ということは分かっていながらそもそも投資するということに手をつける勇気がないというのが本当のところだ。 本書を読んで塩漬けがいいわけがないことかということは実によくわかったのだけれども、そして著者の言うように長期的な投資が今一番利益が上がるということ、その利益がさらに国民に還元されるということなどが分かったし、それが経済というものの原理だということも分かったのだけれども、現在のような不景気な世界さらにはコロナ禍で先が見通せない世界そして現今のロシアによるウクライナへの攻撃、これによりもしかしたら第3次世界対戦が起きうるのではなかろうかという不安などあり、大きく動き出せないのが本当のところだ。 たしかにお金を塩漬けしているということは経済が回らないということの原因でもあろう。 自分の塩漬け預金など本当に取るに足らないものなのかもしれないけれども、そのような人がたくさんいれば、つまり経済が回っていないということであるということ、それによってもはや実力のなくなった銀行が何とかその屋台骨を支えることができているということなのかもしれない。 ある意味ここで著者の言う投資に目を向けることは重要なことなのかもしれない。