DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平
DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] いやあ、泣いた泣いた。 本当に泣かせるいい話だ。 内藤の警察に対する取材力が半端ない。 警察学校等の警察官の教養期間等をきちんと把握している。 だから、うら交番の話を出すまでもなく、その話はとても切れが良く読み手の心にぐさりと刺さる。 内藤了は、傑出した現代の語り部だ。 このシリーズをすこしずつじわりじわりと読み進めてきたが、さて柏村のいる昭和30年年代のうら交番とは一体何なのだろうか。 今回の冒頭では、その昭和年代の永田刑事というものが出てくる。 それが次作にもプロローグで出てくるようだ。 そこから少しは柏村のこともしれてくるのだろうか。 恵平は、いつの間にか丸の内西署の刑事課員に好かれ始め、作中、刑事になりたいという彼女の思いが吐露されるシーンもある。 だから、次作は、彼女はきっと刑事になっているんだろうな。 さて本作は、ホームレス連続殺人事件。 ダークボックスで人が集められ、真犯人の意図の下、知らず知らずにゴミ収集車にさらわれたホームレスが入れられて裁断されるという話だ。 そこでDNA鑑定やらなんたらかんたらやで身元が特定されていく。 そんなこと昭和年代の警察官に話しても、なんのこっちゃということなのだけれど、どうも柏村という昔の警察官が、そこのところを彼なりに理解しているフシもある。 結局、本作は、to be continueなのだ。(1/26記)