2021.02.26

最澄と空海

カテゴリ:仏教

最澄と空海 日本仏教思想の誕生【電子書籍】[ 立川 武蔵 ]

 しかしそれにしても本書はいい本だ。
 題名のとおり、日本仏教思想の誕生というテーマで日本仏教を勉強しようと思ったら、本書が一番の教科書足りうる。
 今更最澄と空海もなかろうという方も多くおられることだろう。
 それはともかく著者は、最澄の天台宗をも密教としてみている。
 そもそも密教というカテゴリーには、空海の真言宗しかないと思う向きには、ちょっと意外かもしれない。
 しかしたしかに、台密、という言葉があるのだから、天台宗が密教というのもあながち誤りではないのかもしれない。
 ただ天台法華宗延暦寺から鎌倉時代そうそうたる日本の祖師方が輩出されたことを考え、さらに、最澄が空海から密教の最後の極意を聴くことができなかったことを考えると、カテゴリー化する場合、天台法華宗は、密教ではあるまい。
 そういうことではあるが、この最澄と空海を基点にしてきちんと日本仏教を精査、考察しており、名著だと思いますな。
 ようするに著者は日本仏教の肝をつかんでいるのだ。
 だから適確な論を展開することができた。
 さて最澄vs空海の問題であるが、最澄には先に書いたように鎌倉の祖師方が連なるのに対し、空海は、真言宗の流れだけになりますな。
 真言宗の流れでは途中、興教大師覚鑁が本流から外され、新義真言宗をうちたて今日に至っている。 
 そのことを考えても、天台宗は密教足り得ないと言えるのではあるまいか。
 しかし、密教だろうが顕教だろうが、そんなことはどうでもいい。
 はるか平安の時代に最澄と空海という偉大な僧侶が日本にいたから、今の日本仏教があることは間違いのないことだ。
 この二人を除いて日本仏教は語れないのである。





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最終更新日  2021.02.26 06:40:28
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