飯能市内で開催された「ご当地講談を聴く会」
ここに書くのが遅くなりましたが、4月7日(日)午後、飯能市の「山奥」で開催された「講談を聴く会」に奥さんと行ってきました。 さくら寄席・神田山吹講談の会 演題「西川材物語」会場は、主催者の自宅です。築120年という古くて大きな民家。和室の襖を取り払えば、座布団を敷き詰めるだけで、そのまま「地域寄席」の雰囲気になります。「さくら寄席」という名称は、主催者が「いまが桜の季節だから」ということで名付けたようです。来場者は40人くらいでしたが、都内から来た人もかなりいました。 会場右の襖では「映像」を投影していました↓↑神田山吹さんの前にある演台は主催者の奥さんの手造りです。このご夫婦は、数年前に所有する山林の斜面を伐採して、緩やかなスロープをそのまま利用した野外劇場を造ってしまいました。斜面の客席から見下ろす舞台の先には雄大な山の景色が広がります。その舞台はすべて切り出した竹で組み立てたのです。(その造営作業には私も一日だけボランティアで参加しました)その野外ステージでは毎年7月に野外コンサートを開催していますが、自宅で「講談の会」を開催したのは今回が初めてです。今回のカテゴリーが、なぜ【ご当地落語を!】なのかと言うと、きょうの講談の演目『西川材物語』が、飯能地域で江戸時代から続いている「林業の話」だからです。このご夫婦は私の知人ですが、江戸時代から代々住んでいる林業家なのです。だから、林業を営んできた自宅で「林業を演題にした講談を聴く会」を主催されたわけです。江戸の街は何度も大火で焼けましたが、その住宅復興に必要な木材の供給源になったのが、我が飯能市の山林なのです。なぜそうなったのか?江戸の大火は、この飯能市の山奥の家々からは「丸見え」だからです。「江戸が火事だ!」「材木が売れるぞ!すぐに送り出せ!」ということが出来たからなのです。飯能地域は、名栗川→荒川経由で江戸の大川に直結しています。だから、材木を筏に組んで川を下れば、大火後の江戸にどの地域の競争相手よりも早く届けられたのです。江戸から見て「西の川からやってくる材木」だから「西川材」と言われるようになりました。つまり、今回の講談『西川材物語』は、ご当地ソングならぬ「ご当地講談」なのです。もちろん「新作」です。落語にも、特定の地名や屋号が噺の中に出てくる演目はけっこう有ります。これから「ご当地落語」がたくさん作られればいいですね。私も主催している地域寄席で、いつかは、飯能の人物、名物、名所、出来事を題材にした「ご当地落語」を出し物にできればいいな、と考えています。菊之丞さん、三三さん、柳朝さん、お三方とも「新作落語」は聴いたことがありませんが、「時代物の新作」ならどうなのでしょうか?好二郎さんは「現代物の新作」も演じるのですが・・・・・・