振袖姿
成人式。おめでとう。少し前の、新聞の投稿欄に家の事情で、振袖を着れなかったと、切ない思い出を書かれた方がいた。ああ、そういう方もいるんだと、私まで切なくなった。私はありがたいことに、振袖が着れた。ただし、姉のお古。それで、十分だった。父はそれでいいのか?と言ったが、それで十分。かわりに、ルビーの指輪を買って貰えた。驚いた。二十歳で、社会に出た。仕事は自分で決めた。親は反対だった。反対されてまで、選んだ仕事。反対理由は、収入が低いからだった。でも、やりたかった。なりたいものに、なりたかった。2年ぐらい、不安だったし、収入も低かった。どうして、選んだか?ずっと、身近にいた大人が、感動を与えてくれたから。ものすごい才能を、私に見せてくれたから。深く勉強をしてきた人の、言葉の数々。私も、そうなれたらいいなと。仕事をしながら、勉強をした。遊ぶ余裕もなかった。時間はかかったけれど、仕事でまわりから、少しずつ認められ始めたとき、うれしかった。それから、信用されたとき。うれしかった。20歳で、夢があるって最高の幸せだ、と今思う。若いうちは、夢を見てね。見続けてね。そして、夢を現実にしてね。あきらめないで。あきらめちゃ、ダメだよ。夢は、叶うものだから。おめでとう。