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2011/09/08
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まずは、このたびの大震災で被災されたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。


当宮古市においても、400名を超える方がお亡くなりになり、

震災から半年経って今だ100名以上の方が見つかっておりません。

津波による市内の傷跡は深く、まったく跡形もなくなった田老・鍬が崎・金浜を

始め、堤防に近い繁華街は日に日に家屋の解体が進みつつあります。

子どもの頃から見慣れた風景が、あれよあれよと無くなっていき、

広く見渡せるようになっていくのを目の当たりにするたび、

浸水地域が、宮古の街中が、これからどうなっていくのか、毎日切ないです。


私フミニャンは地震当時職場にいましたが、30M手前まで水が来たものの

かろうじて被害を免れました。ATN制作スタッフも全員無事でした。


一方で多くの映画関係者が甚大な被害を受けました。

まずは岩手東海新聞社の佐々木記者。地元宮古の支局長として長年ご活躍に

なり、当映画の企画の走り出しの頃から取材して頂き、稽古やロケシーンなど

多くの記事を書いて下さいましたが、堤防近くの事務所に津波が押し寄せ、

職場の前で逃げ遅れて帰らぬ人となりました。謹んでお悔やみを申し上げます。

次にビデオ撮影・編集のビデオさわぐちさん。津波がまさかの街中商店街まで

押し寄せ、オフィスが1M以上浸水。すべての撮影編集機材が被災、長年に

渡り撮り溜められたデータが消失してしまいました。沢口さんは自宅が津波で

流され、ご自身も津波でもみくちゃとなったそうですが、九死に一生を得た

そうです。その後入院され、現在は自宅療養に専念されています。

その他、マイクマン古舘君の自宅兼お店(鍬ヶ崎)が全壊。現在は仮設住宅に

入居中。彼自身は仕入れのため車で宮古を出ていて無事でした。

また、出だしのシーンに登場する理不尽な鬼課長役の坂本君の自宅(新川町)と

会社(金浜)の両方が全壊し、本人と家族は避難して無事でした。

救われたのは、夜の漁師役をしてくれた中村さんが、無事だったこと。

彼は地震が起こるや、船を沖合まで出して被災を免れましたが、帰ってきたのは

数日後だったそうで、浜の家族は「もう死んだ」と思っていたそうです。

沖合に出る途中大きな波を乗り越え、不安にかられながら振り向くと、

岸辺の辺りにものすごい水しぶきが見え、これはタダごとじゃないじゃない、

と三日三晩眠れない夜を明かしたとのことです。(岩手日報記事より)


その他スタッフ・役どころの家族親戚縁者の方には、相当多くの犠牲と被害を

受けられた方が多数いると思われます。すべての方の安否まで確認できて

おりませんが、この場をもってお見舞いとお悔やみを申し上げたいと思います。



今回の津波は、たくさんの思い出のロケ地をも破壊していきました。

磯鶏ヨットハーバー、三陸鉄道の田老駅舎、田老の防波堤とその周辺、

シートピアなあど、旧魚市場、白浜地区、ホテル近江屋さんなど、

数え切れぬほどの壊滅的ダメージをもたらしました。

家族で海水浴シーンの浄土ヶ浜。撮影後レストハウスは新しく建て直され、

とても立派な施設に生まれ変わったのですが、完成後数カ月で全壊。浜辺の

アスファルトは大きくえぐられ、浜の形状も大きく変わってしまいました。

子どもたちが月山を目指しつつも途中で挫折する休憩シーンで使われた

高浜小学校は、海抜10M以上ある高台にも関わらず校庭まで津波が押し

寄せました。

特に白浜は海側集落の半分が消滅し、子どもたちがトイレに行きたくて

バスを降りて走り込む場面で利用した商店も、全壊して無くなっていました。

白浜では夜船付き場から月山頂上に向かうシーンがありますが、その途中の

遊歩道や自動販売機などがあったシーンの回りの風景も、今は跡形もありません。



映画撮影中から震災まで、まさかまさかこんなことになるとは、一体誰が想像

したでしょうか。


皮肉にも、この映画DVDが「タイムマシーン」となり、あの頃の思い出の

シーンがそのまま「タイムカプセル」となってしまいました。

そんなつもりでこの映画を撮ったわけではないのに、何でこんなことになって

しまったんだろう。とても複雑な心境でした。

それでも結果的に、宮古の美しい風景を背景に、人々の心の絆を描く市民創作

映画という心意気は、「映画」という形で、後世への軌跡として残すことが出来ました。



震災後、私は自腹でDVDをコピーし、自分の店のレジ横で販売しました。

宮古を出ていった多くの家族縁者の方が帰省したり、多くのボランティアの方が

宮古入りし復興へのお手伝いをして下さっていることから、ちょっとした思い出

として持って帰ってもらえたらと思い、数量限定で販売。その収益金は、

全額宮古市の義援金として個人的に寄付することにしました。

今回さいがいエフエムさんに頼んで、たくさんPRしてもらったおかげで、

お盆までにすべて売り切れました。しかし今だたくさんの問い合わせがお店に

来ているため、近日中に、店頭販売およびこのサイトでの通販を再開したいと

思います。また改めて告知しますので、もう一度観たい方やお友達や知人の方に

送りたいという方はぜひお求め下さい。なおDVDはツタヤ宮古店でレンタル

しておりますので、こちらもご利用下さい。


9/11 まもなく、あの震災から半年となります。改めて、合掌。






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Last updated  2011/09/08 02:10:23 PM
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