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2007.06.23
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カテゴリ:医療
除細動 どうしてしたの? 1年後



 心房細動が発症すると血栓が出来やすくなり、それが脳に飛ぶと脳梗塞を起こす。脳梗塞になりやすい危険因子は知られていて、弁膜症、高齢、糖尿病,高血圧,高脂血症,虚血性心疾患,心不全などである。危険因子がなければ、必ずしも抗凝固療法が必要というわけでもないようだ。専門外のbambooの言うことなので、話半分に聞いておいた方が良いかもしれないが。 
男性に後遺症 4922万円支払え 岡山地裁判決

記事:毎日新聞社【2007年6月22日】


医療過誤:倉敷中央病院、男性に後遺症 4922万円支払え----岡山地裁判決 /岡山

 ◇不整脈治療の男性、脳などに後遺症 適切な投薬せず

 不整脈の電気ショック治療を受けた際、病院側の不手際で脳などに障害が残ったとして、倉敷市の男性(62)が倉敷中央病院を相手取り約6850万円の賠償を求めた訴訟の判決が21日、岡山地裁であった。広永伸行裁判長は「適切な投薬をしなかった」として、病院側に約4922万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性は01年2月、不整脈の一種、心房細動と診断された。02年2月に倉敷中央病院で、電気ショックによる治療を受けた後、「目が見えなくなった」などと訴えて別の病院を受診。脳梗塞(こうそく)と診断され、高次脳機能障害が残った。

 男性は「循環器学会が定めたガイドラインは、電気ショック後に適切な投薬を薦めていた。投薬していれば、合併症である脳梗塞は防げた」と主張。病院側は「脳梗塞のリスクは低いと判断し、別の薬を選択した。ガイドラインに従って投薬しても、確実に脳梗塞を予防できたとはいえない」と反論していた。広永裁判長は「ガイドラインに記載されている投薬を行えば、脳梗塞にならなかった可能性は高い」として病院側の過失を認めた。

 倉敷中央病院は「当院の主張が認めらず遺憾だ。今後、判決を読んで控訴も含めて検討したい」とコメントした。【石戸諭】



 記事からは分からないのだが、診断から一年も経ってから除細動(電気ショックによる治療)をしたのは何故だろう。その間、抗凝固療法はしていたのだろうか。元々危険因子がなければ(62歳は高齢ではない)必要ではないと判断してもおかしくない。危険因子があったのなら、除細動前から抗凝固療法が行われていたのではないだろうか。

 そもそもガイドラインでは、症例に応じた治療法が推奨されているはずであり、この症例に、除細動後に抗凝固療法が必要だったのかどうか、具体的な病態が何も書いていないので判断できない。抗凝固療法が必要なのだとしても、普通は除細動後ではなく、除細動前に、あるいは前から継続的に、必要なのではないだろうか。

 ミスによって重大な結果が起きたのであれば、それ自体は不幸なことである。でも、その情報を共有することによって、他の医師がミスを防ぐための参考になるのであれば、無駄な犠牲ではなくなる。でも、結局いつものように報道からは何も分からない。このような何も分からない記事では、この患者の不幸は全くの無駄に終わってしまうだろう。本当にミスだったのかどうかは知らないが。

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Last updated  2007.06.23 19:49:07
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