医療報道を斬る

2009/02/06(金)13:47

正義という刃

事件(31)

 イジメが話題になった頃、イジメを見逃したり放置したとされる学校がメディアの攻撃を受けていました。その様子を見て、これこそイジメだと思ったことを覚えています。今は他人事ではなく、医療への攻撃におびえる毎日です。メディアは、自分たちこそ正義だと思っているので、容赦がありません。誤解だろうと何だろうと、彼らの標的になったが最後、徹底的に叩かれます。  メディアがそのような報道を繰り返すのは、そのような需要があるからなのでしょう。正義の立場から悪を叩くのは気持ちの良いことなのです。「水戸黄門」が今でも続いていることからも分かります。  安っぽい正義感に触発される人は、叩き方も粗暴です。自分では正義のつもりでも、実際は悪辣な犯罪者です。根拠のないデマに踊らされて、罪のない人を罵倒したり脅迫したり、決して許されないような行為を行いながら、「許せなかった」などというのは、何と独りよがりで傲慢な行為でしょう。  このように批判することにも、実は罠が潜んでいます。私自身も、自分自身の正義感の表れとして批判しているからです。独りよがりの正義にならないように心がける必要を肝に銘じておきます。 ブログに中傷書き込み、18人書類送検へ 名誉棄損容疑 2009年2月5日11時6分 asahi.com  お笑いタレントのスマイリーキクチさん(37)のブログに事実無根の中傷を書き込んだとして、警視庁は17~45歳の男女18人を近く名誉棄損容疑で書類送検する方針を固めた。5日、中野署への取材でわかった。また、同署は、キクチさんを「殺す」などと殺害を予告する内容を書き込んだとして、川崎市の女(29)を脅迫の疑いで4日に書類送検した。  ブログなどへの集団書き込みに対する一斉摘発は極めて異例で、同署は「同じようなネット上の中傷はたくさんあり、こういうことをすれば警察に摘発されるんだと警告する目的もある」としている。  同署によると、18人は札幌市の女子高校生(17)や、千葉県松戸市の会社員の男(35)、大阪府高槻市の国立大職員の男(45)ら。昨年1~10月、キクチさんが開いたブログ上で、少年4人が殺人罪などで実刑判決を受けた東京都足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件(89年)にキクチさんが関与したと決めつけ、「人殺し」「犯人のくせに」などと事実無根の悪質な中傷を書き込み、キクチさんの名誉を棄損した疑いがある。18人の住所は北海道から大分県に及んでおり、お互いに面識はないとみられる。  昨年1月のブログ開設直後から中傷が始まり、同4月以降は書き込みを一部制限した。所属事務所の太田プロダクションのホームページには以前から同様の書き込みがあり、「事件とは無関係」などと告知していたが、攻撃は続いていた。キクチさんが同8月、「芸能活動に支障が生じた」として被害を届け出た。  川崎市の女は、ブログへの書き込み制限が解除された後の昨年12月下旬、キクチさんのブログに「殺す」と書き込んだ疑いがある。女は「ほかの人の書き込みを信用した。内容を信じたことを反省している」と話しているという。  キクチさんは実名を明かした上で、事務所を通じて「全くの事実無根です。今後、このような事件がおきないことを心より願っております」とのコメントを出した。

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