医療報道を斬る

2011/01/25(火)18:20

時には警察の味方だってする

事件(31)

 混乱した現場で理想的な対応ができることはほとんどありませんが、その対応を後からじっくりと振り返って評価すること自体は必要なことです。次回同じ事が起きたときの重要な教訓になることでしょう。でも、それが犯人捜しに使われるのであれば大きな間違いです。それはただの後出しじゃんけんにすぎません。後出しじゃんけんで犯罪人として扱われたのでは、現場はたまらないでしょう。 警察官発砲 殺人罪でも審理へ 1月24日 18時14分 NHKニュース  奈良県大和郡山市で、逃走しようとした車に警察官が発砲し男性が死亡した事件を巡り、遺族の申し立てに基づいて警察官2人の刑事責任が問われることになった裁判で、特別公務員暴行陵虐致死の罪に加えて殺人の罪でも審理が行われることになりました。  この事件は平成15年9月、奈良県大和郡山市で盗みなどの疑いで追跡されていた乗用車が、警察の車に衝突してさらに逃走しようとしたため、警察官が発砲したところ、乗用車に乗っていた男性が死亡したもので、検察は警察官を不起訴にしました。これについて、男性の遺族が裁判を開くよう求めて「付審判請求」を行い、東芳弘巡査部長(34)と萩原基文警部補(34)が、刑事裁判で特別公務員暴行陵虐致死などの罪に問われることになりました。この裁判で、奈良地方裁判所は、検察官の代わりに裁判を進める指定弁護士の申し立てに基づいて、殺人の罪でも審理することを24日までに決定しました。最高裁判所によりますと、付審判請求による裁判は、昭和24年以降21件開かれていますが、殺人の罪について審理されるのは初めてとみられます。この事件を巡っては、遺族が警察官などに対して民事裁判を起こし、奈良地裁は去年1月、訴えは退けましたが、判決の中で、男性が死亡してもかまわないと警察官が思っていたという判断を示しています。今回の裁判所の決定について、奈良県警察本部は「係争中なので、コメントは差し控えたい」と話しています。  あくまで記事が事実としての判断ですが、現場の警察官の行為はやむを得なかったものと思われます。確かに発端となった犯行は窃盗で、それほど重い罪ではありませんが、逃走の過程で暴走を繰り返したことは間違いないことでしょうし、パトカーに車をぶつけてまで逃走しようとしていたわけですから、犯人はかなり逆上していたでしょう。その段階で犯人こそ未必の故意の殺人を企てていたと言われても仕方のない状態だと私は思います。車は暴走させれば凶器となり、故意にぶつければ死亡することもあり得るからです。  この犯人を取り逃がせば、走る凶器を駆る逆上した凶暴犯を野放しにすることになります。死亡事故につながる可能性は十分に考えられます。そのとき、取り逃がした責任はマスコミがこぞって追及することでしょう。  車をぶつけてくる相手を制圧するには拳銃を使うほかはないでしょう。後から考えればパンクさせればよいとか、いろいろと言えるでしょうが、そのときの現場の状況を想像すれば、逃走させなかっただけでも良しとすべしと思います。  こんな事で裁判を受けるだけでも現場の士気は下がると思いますが、ましてや有罪になったりしたら、悪党どもの高笑いが聞こえてきそうです。

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