医療報道を斬る

2016/09/12(月)08:50

胃がんになって 1

胃がん(49)

7月18日(月)記載  若い頃から胃の調子が悪く、また、過敏性腸症候群もあるようで、私にとって腹痛はよくある症状でした。ですから、いつか癌になっても気づかず、きっと手遅れになるだろうなとは思っていました。  今年の6月、大学時代の同級生で、同じ病院で数年間ともに働いた内科医が胃癌で亡くなりました。告別式ではご遺族が涙ながらに検診を勧めていました。それに触発されて、私も長年サボっていた内視鏡検査を受けることにしました。  知り合いの開業医のところに行ったところ、混み合っている隙間に予約を入れてくれて、7月15日に内視鏡をしました。  実を言うと、兄が中咽頭癌になり、私ものどに違和感があったので、咽頭部が気になって横目でモニターを見ていました。咽頭部は通り過ぎるのが速すぎてよく分からなかったのですが、正常な食道を過ぎたところに塊が見えました。ここで観念しました。胃癌です。  検査が終わり、私の元の勤務先に連絡をしてもらって、その日のうちに精査することになりました。担当してくれたのは院長です。  すべての検査が終わったのは夕方、前日の夕食以降何も食べていない状態で結果を待っていると、診察室に呼ばれ、衝撃の宣告が。簡単に言ってしまうと、いわゆる「末期癌」の状態で手術できる状況ではなく、抗がん剤での治療となるとのことでした。  大変なショックではありましたが、私も医師ですから、事実は事実として受け止めなければなりません。その場は気丈に振る舞えたと思います。でも、迎えに来てくれた妻の顔を見たとたん、涙が止まらなくなりました。  翌日は感情のコントロールができず、夫婦で時々嗚咽の発作が出て困りました。電話がかかってきても、妻はまともに話ができませんでした。体調もすっかり病人らしく具合が悪くなり、翌週の仕事をキャンセルしなかったことを悔やみました。  さらに翌日になると、精神的にも落ち着いてきて、誰とでも普通に話ができるようになりました。子供たちもみんな来てくれて、孫の顔も見られ、体調の方も夕方には持ち直してきました。  そして今日(この文章を書いている日)朝から体調も良好で、孫たちをつれて遊びに行けるくらいの余裕がありました。夕方にはみんなそれぞれ帰って行きましたが、検査を受ける前の体調に戻っているような気がします。  気がかりなのは化学療法です。おそらくはTS-1とシスプラチンの併用療法となると思われますが、シスプラチンの副作用のつらさは半端ではないと聞きます。実際に体験した人の情報は是非知りたいと思いました。けれども、残念ながらあまり情報はありませんでした。

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