父さんの一人旅

１２時間に及ぶ勤務を終え
帰宅したのは午前２時。
いつもなら晩酌をしてから眠りにつくところだが
今週末はちょっとした用事があって
自転車に乗れそうもない。
なので、
「今日はさっさと寝て明日の午前中に
ひとっ走りするか」と
会社から持ち帰ったビールを冷蔵庫にしまった。



悲劇はその直後に起きた。
歯を磨くため洗面所に向かう際
廊下に置いてある自転車に
何気なく視線をやると
どうも、いつもと様子が違う。
ん？　ひょっとして…。
右手の親指で後輪をムニュッとやると
完全にパンクしていた。



最後に乗ったのは日曜日の朝練。
皇居往復＋内堀１周で５０キロほど走ったが
特に変わった様子はなかった。
なのになぜ？
疑問に思いながら
おもむろにパンク修理を始め
チューブを抜き取ると
バルブの根元付近が裂けていた。
恐らく、走行前に空気を入れた際
何らかのトラブルがあったのだろう。



この１年間で幸か不幸か
都合１０回ぐらいパンク修理をしているので
作業も手馴れたもの。
峠工一さんほど早くないが
１０分ほどで、ぱっぱと済ませた。



この時点で午前２時半。
風呂に入っても３時には寝れたはずだが
逆さまにしておいたフレームを見ると
“Ｂ面”がかなり汚れていた。
「ついでだからキレイにするか」
ウェスで汚れを丁寧にふき取り、ワックスをかける。
すると今度はチェーンの汚れが気になり始めた。
先週、江ノ島～茅ヶ崎の海岸線を走ったせいか
かなりの砂がコビリ付いていたのだ。



本来ならパーツクリーナーをシュッとやって
キレイにするところだが
居間では、さすがにそれもできない。
かと言って、外で作業をするには寒すぎる。
なので、細くちぎったウェスをこより
地味に隙間の一つ一つを磨くことにした。



終わってみれば午前４時半。
愛車はチェーンも含めてピカピカになったが
この調子じゃ、明日（というか今日）の朝は
起きれそうにない。
ま、しゃーないか…。