実は私が入っているマンションも、比較的新しい物件なのですが、ここにきて急に入居者も色めき立っています。売り主や設計事務所を招聘しての意見交換会や説明会などを開催しましたが、どうやら私のマンションは、こと今話題になっている件に関しては問題なさそうです(その他些末な問題は、その場で多少出ましたけど)。一応耐震もオッケーとのこと。予断を許しませんけどね。
本当は、こちらがお金を払っているお客様なのでそんなことを言うのはおかしいのですけど、たまたま一つ二つ前の日記で、バベルの塔の話を書きましたけど、それを思い返すにつけて、「およそこの世に存在するかたちあるもので、永久に損壊しないものなど存在しないのではないか」という気がするのです。討論会でも、同じマンションの方の中には「地震があっても壊れないと100パーセントこの場で保証しろ」なんて発言した方もいましたけど、それは誰にも分からないですよね。私は、物体は永遠でないと思ってますから。
ただ、「いつかは壊れる」ということを前提としながらも、それに備えて、可能な限り、可能な範囲で、適切かつ誠実に対処しサービス提供して行くことが大事なのではないかな、と思ったのです。
実際、この寒い夜にも、今崩れるとも知れぬ構造計算偽造マンションに住んでおられる方もいるわけで、これには心痛みます。売る側も施行する側も、どこを突かれても胸を張れる。そして、かたちあるものの宿命としての経年変化や損壊は、消費者サイドのマナーでカバーする。そういうマンションを作る方が、長い目で見れば、はるかに“儲かった”はずでしょうに、なぜあんなずさんなことを平気でしたのでしょうか。“品格が問われる”というのは、まさしくこういう局面において、にほかならないですよね。(了)
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