バベルの図書館－或る物書きの狂恋夢

　先日DVDELVIS／エルヴィスの紹介について日記を書きましたが、観ましたよ。とにかく、スゴイ、スゴイ。何がスゴイって、主演ジョナサン・リース・マイヤーズ（M:I:3やマッチポイントなどでのきなみ活躍中）のなりきり演技！！
　まず、顔が似てる！！一部には似てない、という声もあったようですが、エルヴィス関係は幼少時よりかなり網羅した私、太鼓判押します。ジョナサンの方がやや額が広いんで、時々似てないんですけど、下から見上げたときの目線、真横のショット、と顔自体がすでにソックリ。それに加え、口をゆがめた独特の歌い方、訛りの強い英語、よくぞここまで似せたなぁ、と。エルヴィスの若い頃をリアルタイムに知らない私ですが、きっとこう動き、こう笑い、こう悩み、こう歌っただろうな、と納得出来るんです。ジョナサン以上に、今エルヴィスを演じられる役者はいないでしょう。また、ジョナサンだからこそ、スター性や才能の影で苦悩するナイーヴな一人の若者の姿を、嫌みなく演じることができたのではないでしょうか。ひとたびステージを降りれば、母をひたすらに想う普通の青年の悲哀が、甘酸っぱく描かれていても、まったくリアリティを損ねていません。
　もともとはテレビ用の伝記ドラマでしょうか、やけにチャプターのカットが下手（CMが入っていたのでしょうか）だし、内容の素晴らしさの割に、特典などもついていない粗いパッケージングなのが残念ですが、ELVIS、ロック、伝記映画好きな方、絶対お薦めです。私は、その後本作のハイライトであるテレビ出演のときの本物の映像を見直し、さらに『エルヴィス・オン・ステージ』まで観てしまいました。
　甦ったエルヴィス、ロックンロール誕生の瞬間を目撃せよ！！（了）

追）字幕には出ませんが、マーヴィン・ゲイへの言及が台詞にあったのが嬉しかったです。


ELVIS／エルヴィス