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バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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 昨晩の疲れも残らず、今朝はサン・ジュゼップ市場を歩き回り、その後アントニオ・ガウディの建築を見学する。
 建築といえば、ここバルセロナは統一ユーロになってから物価・地価が急騰し、市内築30年の物件、2DKで4000万円、3LDKで7000万円もするという。しかし市民の収入はほとんど横ばいなので、実家を出られない若者が急増しているそうである。
 一路サグラダ・ファミリア教会に向かう。辺りはスリだらけです。あそこにも・・・あ、あっちにも・・・。現地ガイドの何気ないコメントが不穏だ(スリはチームが多く、最近は東欧系の女性スリが増えているという。手口はさまざまで、古典的な方法から、流行の方法、つまり今しがた見たような、署名運動をしているように両側から集まってきて挟み込み、記入している隙に荷物を奪う方法まで、実にバラエティに富んでいる)。
 正門の上に鎮座する“素っ裸”のキリスト像。この像に腰布がないことを、時の聖職者たちは怒って当時の建築家に抗議したそうだが、彼はこう応えたという。「あの裸の像を見て皆が嗤う。その嘲笑と侮辱こそが、主イエス・キリストが無知な者たちから受けた屈辱を表現しているのです」と。
 日本でもCMでおなじみのこの奇妙な聖堂は、やはりおなじみのエピソードの通り今も建設中で、予定では十数年後の完成であるが、これまた“お金次第”で、財源が尽きたら工事はまたストップだ。かつての階級社会が崩壊してから、パトロン探しも困難を極めているようであるが、これは私も共感できる話である。
 サグラダ・ファミリア教会そのもののすばらしさにも圧倒されたが、この街のいたるところに散見するガウディの想像力の結晶が実に面白く、同時に不思議でもあった。その発想、とても人間の業とは思えないのだ。これを、神の意思の業といえば、かえって陳腐になりそうだ。そうした崇高な分析では収まりきらない、異様な感覚を抱かずに入られないのだ。
 この幼稚な、しかしどうも本当らしい感覚は、ホスピタル・デ・サン・パウ(とても現役の病院とは思えない)をはさんで、次に訪れたグエル公園でも変わらなかった。ガウディはいったい何をしたかったのであろう。そんな深遠なテーマは、すでにいくつも文献や特集が何度も、さまざまな(あるいは勝手な)解釈で取り上げている。いまさら私が“新説”を振りかざしたところで、どうということはない。少なくともガウディ自身は、もっとプリミティヴで、アブノーマルなことを考えていた人物のような気がしてならない。それほどまでに、彼の残した建造物は、挑戦的で、かつ気味が悪い。収まるべきものが、きちんと収まっていない気味悪さ。カコフォニーの集大成だ。(つづく)

*写真は、あまりに有名なサグラダ・ファミリア、つまり聖家族教会。
 





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Last updated  2006/08/31 12:35:20 PM
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