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テーマ:お勧めの本(7400)
カテゴリ:書評
見出し:地味な語り口ながら、丁寧な事実関係の裏付け。まさに探偵の技。
宮下志朗著『パリ歴史探偵術』(講談社) 時に、学術書のマイナーチェンジであるかのような、取り立てて華やぎのない文体が退屈だったりもするが、実際は、パリという都市の古今の細部を丹念に訪ねて歩き、かつそのバックボーンと現在の景観の変遷について、きわめて丁寧でシンプルな記述がなされていて好感が持てる。 また、使用されている図版のチョイスが素晴らしく、都市ガイドとしてでなく、時空を超えた都市散策を実現せしめる効果的な仕掛けが施されている。 広く浅く、でなく、狭く濃く、淡々と、しかし丁寧に一つの街を調査して行く様は、書名にふさわしく「探偵の技」と言えるだろう。(了) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/04/03 09:08:25 PM
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