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カテゴリ:アート
幾度か旅を共にし、「騎士道精神を捧げるにふさわしいレディ」と呼んで敬慕する、画家のY女史から、このたびお祝いに一枚の絵を譲っていただいた。
小柄な躯から発する快活なエネルギー、ユーモアのセンス、姉御肌の気っ風の良さ、何より、誰にも悟られることもなく、細部にいたるまで心配りの出来るこの“大先輩”(失礼!!)は、先頃銀座の文芸春秋社のギャラリーでも個展を催された。 そのY画伯(ここからは画伯と呼ぼう)の展覧会で、数ある作品の中から一番気に入った作品を、心底絶賛したところ、その作品を惜しげもなく下さったのである。 そろそろ書店にも並び始めるであろう著作を一読いただければ、このスペイン情緒溢れる街路を、市街から5キロも離れたカンポの丘を拠点に、画伯自身が惚れ込んで描き上げた作品は、ただ作品として素晴らしいだけでなく、私自身の生得的な郷愁を激しく刺激して止まなかった。 その作品を、壁に飾ってみた。するとどうだろう。あたかも、そこが血なまぐさい戦争があったとはいえ、巧みに怨敵の長所を柔軟に吸収したスペインの、イスラム文化を融合した美しい街路に、この額縁をくぐり抜けて、すぐにでも訪れることが出来そうな想像を膨らませずにいられないのである。 パパからもらったクラリネットではないが、この記念すべきタイミングに、敬愛する画伯より賜った私にとっても思い入れ深い作品は、さながら「どこでもドア」のように、いつまでも、この愉しいイマジネーションを掻き立てて止まないだろう。(了) 追)私が撮った写真が、失礼ながら画伯の作品の価値を貶めているとしたら、これは無礼に当たるが、この場では何とぞご容赦いただきたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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