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テーマ:お勧めの本(7380)
カテゴリ:書評
見出し:「文学」をフィルターにお気に入りの街をゆく。
鹿島茂著『文学的パリガイド』(日本放送出版協会) 贅沢な体裁。装丁も洒落ていて素敵だ。鹿島茂のお家芸とも呼べる、“鹿島的”シリーズとでも呼べそうな一冊。 とにかく、19世紀パリに死ぬほど恋焦がれる著者は、どんなテーマであろうと“鹿島的”という尺度でもって料理してしまう。それが吉と出ることもあれば、「あれ、また?」という金太郎飴を齧るような気にもなることもあるのだが、本書はパリの名所や悪所、あるいは知られざるスポットや風物を、フランス文学や作家を引用して結びつけガイドしていく。 確かに「ありきたりだ」とも思ってしまうが、とある時代、とある作家や作中人物がこの街で飲み、語り、歌い、恋したと想像をめぐらせてページを繰ると、ちょっと立体的な感動が得られて面白い。 まさに束の間、パリと文学に詳しいガイドに街案内をしてもらったような、そんな気分で読むのが“気分”に違いない。(了) 文学的パリガイド ■著作です:何のために生き、死ぬの?。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/04/03 09:40:59 PM
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