バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

2009/03/11(水)00:15

スーパー・ナチュラル(3rdシーズン)祭。(15話、16話)

スーパー・ナチュラル(63)

 のっけから、テンション上がりました。クレジット見て、Wao!!だって、ゲストにビリー・ドラゴ登場ですよ。まぁ、内容に進む前に、大体どんな役か想像ついてしまいましたけど。だって、この方クセのある役しかしないもん。有名な所では、映画『アンタッチャブル』で、ケビン・コスナーらを執拗に追い回す、ちょっと気障ったらしい痩せぎすの暗殺者役。最後、ビルから落ちて自動車の屋根に刺さります(汗)。さてスパナチュ、サード・シーズン、とうとう大詰めです。第15話『永遠の命』。ディーンの命は残り三週間。悪魔の契約は反故にはできそうにないし…。あぁ、ゴースト・フェイサーズにかまってる場合じゃないよ、ホント。  さて、冒頭いきなり襲われる医師。ゾンビの仕業???いや、その傷跡は外科手術の跡。んじゃ、殺人医師?あ、昔ジョニー・デップ主演の“切り裂きジャック”ネタ映画『フロム・ヘル』なんてのがありましたね。あの匂いが…ぷんぷん。賢いサム、その傷跡や父・ジョンが残した記録(かつてジョンは、この殺人医師と対決したそうですが)から、それが、自分の体の一部を、イキのいいのと取り替えながら、19世紀から生き延び続けている迷惑ドクター、ベントンの仕業と知る。サム、血迷った(苦笑)。「兄貴を死なせやしない、こいつに永遠の命を生きる方法を教えてもらえば、兄貴は地獄に堕ちないで済む!!」。いやぁ、それはイヤだろー。さすがに。もちろん、ディーン、キレる。「俺は化け物になって生き延びたいとは思わない!!」。結局、陽気でニヤけた若者風のディーンですが、実は、根っこはすごい保守的。曲がった事が大嫌い。しかも、ディーンの「曲がった事」の基準というのは、かなり保守&古風(=WASP)的なんですよね。やっぱり、人間は永遠に生きちゃダメだろう、って。  ここで、“ヤバ医師”の協力を取り付けたいサムと、契約を握る悪魔を殺す方が賢明と判断し、悪魔を殺すコルトを盗んで消えたベラを探すディーンで、バラけます。意見は食い違ったけど、想いは一つ。互いに掛け合う「気をつけろよ」の言葉には、もはやそれ以上の言葉はいらない、ってトコでしょうか。  そしてベラですよ、本名アビー。やっぱ、ワケありだったんだ。彼女の秘密を握る元ハンターからディーンが聞き出したベラの過去と、今の生き方の動機は、なんとも痛ましいもので。でも、コルトを渡すワケにはいかない。そっか、ベラ、指紋消してたんだ。でも耳の形は指紋に匹敵する個人情報でして…。さて、ベラを捕まえたディーン。果たして…コルトはもう手元になく。怒るけど、殺さないんだ。何故(ここからはネタバレですからご注意)???それは、殺さなくてもベラは今晩死ぬから。そう、暴力を加えた彼女の両親を、ベラは殺した。それも、自分の手ではなく、悪魔、それもリリスとの契約によって。そして、契約の期限は今晩と迫っていたのだ!!サムを殺せば契約は解消するとの約束をリリスと結んでいたけれど、タイムアップ。そして、ディーンの契約を握る悪魔こそ、リリスであることも知る。無論、すべてを語ったベラ、0時きっかりに、地獄の番犬に連れて行かれました。うーん、業の深い女性だなぁ。  サムの方は…ざっくり言って失敗しました。何しろ、『時計仕掛けのオレンジ』かよ!!ってな具合に目ん玉ひんむかれて拘束されちゃって。えぇ、ベントン医師に。目玉を取り替えるぞ~ってなところでディーン登場。やっぱ、こんなグロで生き延びたくねぇ、と。  結局、直接対決しかない!!ってんで、第16話が『決戦の時』。正直、またやられた~ってなラストですよ。いつもこんなんじゃんか!!だから続き見ちゃう&期待しちゃうんですけど(苦笑)。そして、Kansas“Carry On My Wayward Son”が煽る、煽る!!  いよいよ、リリスと対決。サムの眠れる指導力&パワーは、ディーンへの思いから再び覚醒するのか?あるいは、ディーンもまたタイムアップなのか?あぁ、やっぱゴースト・フェイサーズとの悶着の時間が惜しまれるわぁ(笑)。もう、悪夢の見過ぎで、ディーン、かなり目がくぼんでます。  契約を握る悪魔の名前が分かれば居場所を突き止めるのはカンタン、さすがボビー。魔法を使った“古代版GPS”でビンゴ!!リリスの居場所を発見。覚悟を決めて、いざウィンチェスター兄弟、発進。ってところに「水くせえじゃねぇか。俺も家族同然だぞ」とボビーが加勢。「トイレ休憩ならいらんぞ」と息巻くけど、ボビーと最終話っての、相性悪いんだよなぁ。とまたも疑ってみたり。おいおい大将、こんどは大丈夫だろうなぁ???  コルトがないなら、ルビーのナイフ(ルビーの指環、みたいだな)をゲットするしかない。どうも反りの合わないルビーとディーン。ルビーは、最後のチャンスとばかり、サムを利用すればリリスは倒せるなんて言うけど、ディーンは信じない。取っ組み合って、まんまと魔法陣の中におびき寄せ、おまけにちゃっかりナイフはいただき。なかなか知恵者だね、ディーン。  肝心のリリスの休暇中の居場所はインディアナ州のニュー・ハーモニーなる街。いやぁ、ニュー・ハーモニーで、カコフォニーをもたらす悪魔がバカンス中とは、なかなかやりますなぁ、脚本家。で、リリスのバカンスとは…もう、これが怖すぎる!!ハッキリ言って、どんなエピソードよりも、どんな怪物や悪魔よりも、本気で怖い。なんたって、少女の体に乗り移って、やりたい放題。悪魔の乗り移った子供ってのが、一番怖いです、私。事実この少女=リリスのやることといったら、書く事がはばかれるくらいに、ご無体。ダメです、書けません。無邪気な残酷さってのは、冷や汗ものですよ。  まぁリリス・クラスの悪魔ですから。当然“決戦の時”来る、は感じているワケで。そこんとこ、ディーンやサムも覚悟の上。リリスの取り憑いた少女の住む家に乗り込もうと思えば、その周囲に多数の手下を配置しているのは当然。さぁ、決戦開始!!  いやぁ、驚いた。ボビーも意外と軍師です。まさか、聖水×スプリンクラー、なんて方法があったとは。脱帽。  家に侵入したサム、ディーン、ルビーら一行は悪魔少女を目指すも、ここでどんでん返し。悪魔、少女からお引っ越しです。誰に???なんとルビーに!!んじゃ、知らないでリリス引き連れてまわってたんだぁ、やられた。オマケに、一室に一緒に閉じこもっちゃったよ。自分が檻の中なんだわ。ガチンコ直接対決スタート…になるかと思いきや、サムがああなって、リリスがこうなって、次にサムがこうしたときには、リリスの口からああなって。ふと目をやれば、そこには地獄の番犬に、裂かれ地獄に引きずり降ろされたディーンの残骸が。ディーン、死す!!  ここでサード・シーズンはおしまい。うーん。またも、こんな最後か。って冒頭にも書きましたけど、それしか言えませんね。  ともあれ、最後の瞬間を迎えるまでの、兄弟の何気ない、淡白なやり取りの中に、なんだか深いものを感じました。最後に一緒にラジオで聴いたボン・ジョヴィ。「悪い連鎖をどこかで断ち切らねば。兄弟仲が弱点になるんだ」とのディーンの言葉に涙。そして、「親父の教えを守れ。俺の教えたこと、覚えてるか」と短く、テキパキ最低限確認しておくディーンに、涙を浮かべながら気丈に頷くサムの覚悟。本当は怖くても、ことさら明るくドライに振る舞うディーンと、なんとかディーンを助けたいと思いながら、一人でも意志を継ぎ貫く覚悟を自らに課すサムの成長に、やられますね。本国では、新シーズンも放映中。はやく続きが観たい!!(了) スーパー・ナチュラル(3rdシーズン)祭。( 話) SUPERNATURAL III スーパーナチュラル〈サード・シーズン〉コレクターズ・ボックス1(DVD) ◆20%OFF!! ■「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です:『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。

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