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カテゴリ:映画/エンタメ
貴重な体験をした。映画のエキストラ参加してきたのだ。松井久子監督による第三作『レオニー』のエキストラだ。なぜそのようなことになったかの経緯は措くとして、はじめにまず監督の第二作『折り梅』の上映会で監督とご縁をいただき、テーマとしては重たいはずの『折り梅』が、巧みに、あたたかく、同時に安直なヒューマニズムに流れることなく描かれているのに感じ入ってファンになってしまった。それと前後してだったかと思うが、たまたま私が死生観にも言及した本を共著として出したこともあって、かたや映画製作の応援活動の一助になればという私自身の思いと、特に映画製作の事務局の方の粋なはからいにより、オフィシャルブログで、本の紹介と『レオニー』についての思いについてインタビューを設けてくださったのだ。世界的な彫刻家であるイサム・ノグチの母・レオニーの生涯を扱った作品『レオニー』は、私にとっては偉大なアーティストの母、というより、頑迷なジャンルやカテゴリを越境する者の先触れの象徴的意味としての女性像として惹かれるところが多分にあり、ここずっと継続して思索している私自身のテーマの一つである“越境者の可能性”という点に非常な共感とインスピレーションを覚え、以来作品を応援してきた。
難航した時期もあったが、天のはからいを受けたか、絶好のタイミングで、監督自身が熱望したキャスト陣を迎え、先日クランクインした。 そうして、全国各地でこの映画の完成を応援し続ける「マイレオニー」というサポーターたちの活動にも、拍車が掛かってきた。そうして、クランクイン直後の勢いと、サポーターの強い思いのシナジー効果増強の一つの答えが、サポーターたちのエキストラ参加企画だったのである。 もともと、人前は苦手である。だから、物書きになった、とも言える。若い頃には、映画好きの仲間から、何度もエキストラ参加のアルバイト登録に誘われたこともあったが、一度として参加したことはなかった。 だが、今回は是非に、と思った。一つには、以降監督はじめ事務局の皆様に、十分なご恩返しもバックアップもできていないよう思いがあり、僭越ではあるが、私が映画に参加することで、少しでも私の周囲の人が映画に興味を持ってくれたら・・・それくらいしか自分にはできないのではないかという思いがあったこと。もう一つには、全国のサポーターの応援を背に受けながら、それをプレッシャーではなくエネルギーに変えていくその意志の力が結実する現場に身を置いてみたい、ものづくりの圧倒的な雰囲気に打ちのめされてみたい、そのためには、外側でなく、映画の中に入らなければそれを正確かつ濃厚に得ることはできないのではないか、という気持ちから、挙手したところ、参加できることになったのである。 ロケ地は横浜。今は退役した日本丸を客船に、中村獅童氏演じる帰国したヨネと、アメリカからはるばるやってきたエミリー・モーティマー氏演じるレオニーと二人の間にできた子イサム・ノグチと再会する重要なシーンの撮影である。 といって、私はエキストラ。背景である。だが、名監督はエキストラの使い方をも疎かにしない、とよく聞く。エキストラは、素人のプロとして振る舞わねばならない。 私には、世界を放浪して、いつかは俺も!!という思いでアメリカから帰国した、いまだ大成しない芸術家の役がその場で振られた。小道具に、旅行用鞄とジャケット、画布二枚。両手が塞がっているが、動ける廊下は狭い。ぶつかったらどうしよう・・・と思いつつ、撮影の邪魔をしないことだけ考えて待機していた。(つづく) 折り梅(DVD) ■「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です:『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/06/16 04:24:45 PM
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