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2005/04/07

 
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カテゴリ:カテゴリ未分類

昨日の「パワーポイントは害悪である」の続きです。


「世の中から○○が無くなったら・・・」という話ってよくありますが、パワーポイントの場合どうでしょう?「世の中からパワーポイントが無くなったら、ホワイトカラーの人の生産性って劇的に下がるのか?」
ぼくは、「実は、ホワイトカラー全体で見ると生産性が下がるどころか、むしろ上がるんではないか?」と思ってしまいます。少なくとも、「生産性が下がる」ことは無いような気がしています。

パワーポイントの一番の「罪」の部分は、「ものごとを伝えるために一番重要な『言葉』がものすごくおろそかになる」ということです。「発表者の頭の中の混乱をそのまま紙にしました」みたいな発表ってたまにありますが、言葉でしゃべるとすぐに支離滅裂とわかるものでも、同じ内容をパワーポイントにするとれが「もっともらしく」見えてしまうのです。

例えば提案書を作るときに、普通は「1.背景」「2.現状の課題」「3.解決のオプション」「4.今後のスケジュール」みたいな章立てになります。言葉で説明しようとすると、1~4を言葉(つまり論理)でつないでいかなければならないのですが、パワーポイントだと、
1ページ目:「背景」:背景を思いつく順番に箇条書きにする。
2ページ目:「現状の課題」:課題を思いつく順番に箇条書きして、ページの右下に目立つ色の吹き出しで、「このままではわが社が危機に!」とか書く
3ページ目:「解決のオプション」:オプションA、オプションB、オプションCを作って、○×△をつけて、「Bを取ることでわが社の業績UP」とか言う上向きの矢印を書く
4ページ目:「今後のステップ」○○に交渉申し入れ、条件の提示、妥結、みたいなスケジュールを作る。
と書くと、一つ一つの記述が「もっともらしく」見えてしまい、プレゼン資料そのものが「もっともらしく」見えてしまいます。で、聞き手は「もっともらしいけど、なんだかわかりづらいぞ」と資料を一生懸命目で追うようになる。
そういう、「ムダな発表」がものすごく増えているような気がします。


一方「もっともらしい」プレゼンを作ることで、発表者自身も思考停止に陥ることがとても多いと思います。パワーポイントを目の前にすると、テキストの左揃えをしたり、四角形の色を変えたり、影をつけたりと、交渉しているビジネスマンの図を探したりと、そういう瑣末なことが次から次へと気になってしまいます。また、「本当はこれもあれも書きたいけど、スペースが無い」という理由で、考えるのをやめる誘惑にかられてしまいます。
で、そうやってパワーポイントをぐちぐちいじっていることで、提案内容についてじーっと考えるという「しんどい」作業から「逃げる」ことができてしまいます。

こういう「もっともらしい」パワーポイントを口で説明しようとすると、「資料棒読み」のプレゼンになってしまいます。

前職の上司が、この状態を上手く表現していて、
「スライド(=資料)でプレゼン」するべきところを、「スライドをプレゼン」してしまっているぞ。ということになってしまいます。


昨日紹介した、「ひとつ上のプレゼン。」でも、似たような表現が出てきていて、
パワーポイントを使うと、「人が主役」であるはずのプレゼンで、「資料が主役」になってしまう。その結果発表が全く印象に残らなくなる。といっています。


もちろん、言葉にするよりも図にした方がはるかに伝わりやすいものというのも多々あります。どうしてこういうインパクトのある図が描けないのだろうか、とコンサル時代は常に悩んでました。
でも作成の手間・しんどさは、間違えなく
「もっともらしいプレゼン」<「文章だけの提案書」<「インパクトのある図」による提案
で、世の中の殆ど(多分95%くらい)のプレゼンは、「もっともらしい」ものだと思うのです。

そして、それらの「もっともらしい」ものの中で、「最初から言葉で考えていればもっとよい提案になったのに」というものも幾分か含まれていると思うのです。


というわけで、ぼくは何か新しい発表を行うときには、必ずWord(かテキストエディタ)で文章にしていみます。その上で余力があれば、その文章を声に出して読んでみます。そうすると、自分で自信のない箇所が一発でわかります。そこだけ「ウソをついているときの自分の声」になるので。

というわけで、「パワーポイント撲滅運動」を現在の会社で展開しようと思っています。まずは自分から、ですが。(最近パワーポイントに向かっている時間が多すぎる・・・。)


ちなみに余談ですが、5~6年前に見た調査結果にこんなのがありました。
プライスウォーターハウスが調査したところ、
『世の中のスプレッドシート(Excelによる計算表ですね)の95%には、致命的な計算式のミスが存在する(つまり、足さなければいけないセルを足し忘れていたり、割る数と割られる数を間違えたり・・・)』のだそうです。
そういう「殆どの場合計算ミスを含んでいる計算結果」に基づいて企業の意思決定ってされるんだな、と思うと少し寒くなりますね。(もちろん優秀な経営者は計算結果を見て『直感的に』おかしい数字は見破るでしょうから実害は少ないかもしれませんが)

というわけで、マイクロソフトは人類の生産性向上に役立っているのか?
・・・よくわかりませんね。






Last updated  2005/04/07 11:44:41 PM
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