本を片手にポレポレ生活…札幌にて

2011/08/16(火)07:44

冷たい肌

本(241)

9.11テロに立ち向かった日系人テロから10年太平洋戦争から70年昨夜観た番組です。太平洋戦争がはじまると何もしていないのに家も土地も仕事も全て不当に取り上げられ一方的に過酷な収容所に入れられたアメリカに住んでいた日系人日系人だからという理由だけで。その人々が9.11テロの後、アラブ・イスラム系の人々への暴力や差別にそれはいけないことだ、と立ち上がったのだそうです。宗教・皮膚の色・祖国の違いだけで差別してはならないと。マスコミが世論がパッシングに動く中でのNOは勇気のいることだったでしょうが自分たちが不当な差別を経験しているからこそできたのでしょう。同胞としてとても誇らしく思いました。 【送料無料】冷たい肌冷たい肌アルベール・サンチェス・ピニョル作カタルーニャが世界に発信する新しい文学という帯に惹かれて読みました。南極近くの孤島に気象観測官として勤務することになった青年その島の灯台に住んでいる男そして体は人間とそっくりなのだけれど水かきをもち海にすむ生き物この異形の生物との戦いを終えさせるものは何だったのか結論を言えば お互いにその存在を認め合うこと だったのです。文化人類学者だという作者初の長編小説ということですがストーリーが面白く一気に最後まで読んでしまいました。カタルーニャはフランコ独裁政権の下40年にわたって弾圧されてきた国そこで生まれた作者は主人公を英国の圧政下におかれたアイルランドの孤児として書いていますが虐げられた人々の思いは孤島の異形の生物にも通じていくのです。姿・形が自分たちと違うからと蔑んだり差別したりしてはいけないと。

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