本を片手にポレポレ生活…札幌にて

2012/08/17(金)04:55

夜明け 伸びゆくもの

本(241)

 まだ夜明け前の4時20分オリンピックが終わって、お盆が過ぎて夜明けの時刻が遅くなってきています。トンボが増えて、吹く風に冷たさを感じるようになり朝夕がひんやりしてきて、札幌は秋にどんどん近づいています。 毎日いただくレモンの種があまりにも大きかったので 気まぐれに君子蘭の鉢に埋めたところ3つ芽を出し 葉を伸ばしています。伸びゆくものはみな可愛い。 さて、そろそろ新しい鉢に植え替えてあげましょうか。 【送料無料】夜明け [ ナギーブ・マフフーズ ]時代は1935年から1944年まで。第二次大戦が勃発して、イタリアがカイロを爆撃。その直後、老衰したアフマド・アブドルガワードが世を去る。孫たちが成人し、ヤーシーンの息子で美男子のリドワーンは男色趣味の政治家に可愛がられ、栄達の道を歩み始めるが、政権交代で運命が狂う。他方、シャウカト家に嫁入りしたハディーガの長男アブドルムネイムはイスラム原理主義に魅せられてムスリム同胞団に入り、次男アフマドは左翼の活動家となるが、二人は危険分子として逮捕される。懐疑と無為のうちに生きたカマールは、二人の信念と行動力、特にアフマドが人生と民衆を信じ、人間としての義務に邁進する姿に感銘を受ける。その頃アミーナは死の床にあり、アブドルムネイムの妻カリーマからアミーナの曾孫が生まれようとしている。カイロ3部作の最後の作品この最後の作ではアフマドが年老いて亡くなるまでを描いている孫たちが台頭し同じ名前のアフマドは、2作目で中心であったカマールを乗り越えエジプトの独立のために力強く歩む。世代が変わり、カイロにも民主化の波が押し寄せて・・・ひ孫の誕生で未来に繋がる希望を感じさせます。 ただ、3作目は筋に沿ってひたすら書かれたというか面白味に欠けていたように思う。そして今なお、エジプトは夜明けを見ていないのかくすぶっているようなのが悲しい    

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