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カテゴリ:アラスカ
水路を奥に進むにつれて気温もぐっと下がってくる。南国暮らしにはつらい。このときの服装は上にトレーナーにフリース、その上にウインドブレーカー、下はコーデュロイのジーンズにウィンドブレーカーを着ていたが、さらにゴアテックスのレインウェアを上下とニットの帽子を追加した。海面に浮かぶ氷の数が増えてきた。すると遠くの氷の上になにかうごめいているものがいる。双眼鏡で覗くとアザラシが氷の上に所狭しと寝ている。ボートが近づくにつれて、ときどき顔を上げては寝ている。ハーバーシールというもので日本で言うゼニガタアザラシに当たる種類。早速、カメラを準備する。300ミリレンズに1.4倍のテレコン(レンズとカメラの間につけてしゅうてん距離を延ばすもの)をつけて420ミリで撮影。
「ちょっと遠いなあ」と思ってカメラを下ろすと隣のH氏がバズーカのようなレンズを構えている。 「うわぁっ、そ・それ何ミリですか?」 「600ミリ」(しかも手ぶれ防止つきの最新のやつだ) 「す・すごいですね・・・」 「使ってみる?そうだ、テレコンにこれ付けたらどんなかやって見てよ」 「い・いいんですか?」といいながらすでに300ミリを外す自分。 「600×1.4で840ミリか・・・」ぶれないように座ってレンズを左ひざの上に載せてファインダーを覗く。アザラシがぐっと引き寄せられる。ピントを合わせたときのシャープさに驚く。ボートはゆっくりと動いているのでファインダーの中でどんどんアザラシが大きくなる。何枚かシャッターを切った後、かえさなきゃとH氏を見ると「どうぞっ」と。「すみません」と言いながらも撮り続ける。そのうちにアザラシは次々と海へ飛び込んでいってしまった。 「いやースゴイシャープですねえ」とレンズを返す。 ボートは次のアザラシがいる氷へと進んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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