新ウィッグ調整法,その名は3段階イモリオイル。
※申し訳ないんだけど,この記事はこの記事の続きになっているの。だから事前に読んでから読むのよ(ナレーター:杉本るみ)さて,シャロンにみほさんとウィッグチェンジが続く手前ども。そんな中で実はウィッグの調整法も変わっています。手前どもでウィッグ調整方といえば・自作ウィッグオイル"柔尻"・ニベア(湿式)・ケープ(固定式)・シリコンスプレー(乾式)(・無制御)この五択。まあどれもこれもあんな記事やそんな記事になっているわけなんですが,実はどいつもこいつも大体同じ弱点を抱えていたのです。出先で使いにくい=非常時に使いにくいこれです。その様はまるで在りし日のスペースシャトル。スペースシャトルは発射されたら最後,実用的な緊急脱出手段はないと言う致命的弱点がありました。それと同じように外へ出たら最後,出先での緊急ウィッグセットにはどれもこれも使えない。つまり一泊二日とかであったとしても事前準備時並みのセットは行えなかったのです。みほ「自作シリコンオイルは性能不足,ニベアはウィッグの毛量がな足りないと即日使える状態にならない,ケープはヘッドを汚損する確率が高くて重用は危険で失敗率も高い,シリコンスプレーは狭い空間や宿泊先では使えない…などなど」シャロン「そもそもケープとシリコンスプレーは大きさの問題があるわね」"携帯製に優れ,程よいセット能力があり,即応性が高い上に周囲を汚損しない,調達性は抜群"なんだか途方もなく高いハードルですが,この度ついに開発されました。その名も…TKAC式イモリオイル法(通称:新湿式,正式名称:高丘エージェンシー式3段階アルガン油法)一見意味不明な名称ですが,とあるオイルを3つの手段で使い分けてウィッグセットを目指す方式です。その要となるのがこちら。ルシードエル・オイルトリートメント#EXリペアオイルドラッグストアならどこにでもあるオイルですが,ドール業界では2021年ごろから"イモリオイル"という通称でウィッグ用として使われています。シャロン「ちなみになんでこんな通称なのかは不明。いくら調べても出てこないけど,恐らく"イモリ"というドールオーナーがいて最初に使い始めたのだと推測しているわ」もちろんこのまま使ってもウィッグセットはできますが,高丘エージェンシーは違います。これを三段活用するのがミソとなります。では今回の被験者に登場していただきましょう。シャロン「私よ」というわけでシャロンです。せっかく若かりし頃の姿に戻ったシャロンですが,シリコンスプレーだけでは毛量の多い新品ウィッグには力不足。まあボサボサっとしております。これをいい感じにできればそれで十分に性能を証明できます。じゃあどうするのか,どこが三段活用なのかというと…・原液・希釈液入りスプレー・希釈液入り水筆このように原液と希釈液を合計3つの方法で使い分けるのです。今方式のブレイクスルーは水筆が使用可能になったこと。これで出先での細かい修正が必要最小限のスペースでできるようになったのです。この水にも溶けるオイルを探した結果がイモリオイルだったんですねえ。用意するものは・イモリオイル・水・ダイソーで買える容器付きスポイト・同じくスプレーボトル・同じく水筆これです。スポイトとスプレーボトルは化粧関連のところに,水筆は文字通り文房具関連のところにあるはずです。ちなみに容器付きスポイトといってますが,ぶっちゃけ水筆やスプレーボトルへ効率的に入れる手段があるのであればなんでも構いません。ただの水溶性物質なので,溶ける材質はありませんからね。んで,まずは希釈液を作ります。作り方は容器付きスポイトの容器にイモリオイル原液を入れてから,適量の水を入れてシェイクするだけです。これだけでしっかり溶けてくれます。正直言うと濃さは好みですが,水筆で使えるならお好みで構いません。私の体感だけで申し訳ないのですが,少し濃いめくらいがおすすめ。これで準備は完了です。では使っていきましょう。基本手順はこんなところ。①下拵え:スプレーボトルに希釈液を入れてヘッドから外したウィッグをスプレーしながら櫛やタンクルティーザーなどで解かします。ウィッグの奥まで希釈液を馴染ませることで,この後使う原液がより浸透しやすくなります。またウィッグカットの場合はこれだけで十分な状態になります。②本馴染め:原液を手に取り,ウィッグへ直接馴染ませていきます。使ったことある方なら人間どもで言うところのワックスの要領でといえば問題ないでしょう。もちろん補助で櫛やタンクルティーザーを使っていただいても大丈夫です。これにより先程の希釈液と合わせて,しっかりとしたセット能力と艶を与えることができます。③ウィッグセット:予定の髪型へセットを行います。この段階からは希釈液を入れた水筆も使用可能です。跳ねた髪などを細かく修正できます。使い方はリンク先の動画を参考になさってください。④出先での細かいセットは水筆で行えます。水筆で行うことで,最低限のスペースで汚損等のリスクなく修正することができます。また1〜2日ほどはオイルの効果はある程度残るので,乾燥して大きく崩れる心配はありません。また携帯性に優れるので,必要ならば下拵えからの調整も可能です。まあ,ざっとこんなところ。ではシャロンがどうなったかをみてみましょう。かなり纏まりましたね。何より艶が段違い。それだけではなく,ベタつきは少なくサラッとしています。これが即応性の高さを示していますし,毛量が少なめのウィッグでも対応できる証左にもなるでしょう。ニベアに勝るとまではなりませんが,同等レベルのセット能力を確保しながら決して重くならない。持続力も高い上に携帯性に優れるので出先でも大丈夫。みほ「あと水溶性なので,水か薄めた中性洗剤で拭けば落とせます。安全です」これはいいんじゃないんでしょうか?おすすめできます。