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さもしい。
私がこの言葉を初めて聞いたのは、多分38年くらい前。 「さもしい浪人、あぼし さもじろ~う~!」 (故)坂本九さんのナレーション。 当時NHKで放送されていた人形劇、「新・八犬伝」の中。 この人形劇で使われていた人形を作ったのは、辻村ジュサブローさん。 それまでの人形とは、全然違う風合いの人形で、文楽の人形を思い起こさせる感じの表情なのね。 NHKの人形劇は面白くて、私の記憶にある一番古いのは、「チロリン村と(の?)くるみの木」かしら。 「ひょっこりひょうたん島」が、一番ロングランで評判が良かったんだったわね。 「空中都市008」は小松左京さんの原作。 「新・八犬伝」が放送されて、原作の「南総里見八犬伝」の人気も上がったのね。 原作は曲亭馬琴だったかしら? 別名が滝沢馬琴? 物凄く長い物語なのね。 子供向けの市販本は、かなり縮めて、つまらない物語になってるけど、原作を忠実に訳した本はとても面白い。 テレビの「新・八犬伝」も、原作を表現する事はできなかったのね。 「真田十勇士」が「新・八犬伝」の後の放送だったかしら。 この頃になると、私はもう人形劇を余り見なくなってきた。 う~ん。 懐かしい~。 ここに書いていない人形劇も、いくつか有ると思うけど、忘れてしまって残念。 「新・八犬伝」で初めて聞いた、「さもしい」という言葉。 どういう意味なのか? 意味が分からないで番組を観てても、面白さが半減するからね。 調べたり、友達同士で教えあったり、しましたわよ。 今、辞書を調べてみると、 【自分だけ得をすればいいという気持の見え透いている様子】 って書いてあるわね。 「い」で終わってる言葉だから、形容詞。 つまり名詞を修飾する言葉ね。 意味としては「ずるい」の仲間。 大勢の中、「俺だけが得すればいい」みたいな事をやる人で、その行為が周囲から見ても明らかな様子ね。 そういう人を見て、周囲の人は「さもしい野郎だ」と表現するの。 だから、最初に麻生さんが言った、 「1億円も収入が有る人が、12000円を貰おうというのは、さもしいのではないか」 という言葉は、日本語としては正しい意味で遣ってるの。 そうそう。 ここで、このまま、自分の意思を通していれば、麻生さんは正しい意味での「さもしい」を、日本人に教えた事になったのね。 だけど、今回の麻生行動で、「さもしい」の意味の解釈が変わってくるかも知れない。 日本語って、そもそもの意味がちゃんとしてても、時代の流れで変わってくるのもなのよね。 大勢の人が違った意味で遣って、その意味が公認されてしまうと、その違った意味が主流になっちゃうの。 正しい意味を固持するのではなく、間違った意味の流れに乗っちゃうのが日本語なのよね。 元々の正しい意味を知ってる人にとっては、「本当は、そんな意味じゃない」って事になるんだけど、日本語はそこんところがユルイのね。 いずれは、正しい意味という事で、辞書に載っちゃうのね。 こうなっちゃうと、国語テストでの正解が、分からなくなっちゃうの。 本当の正しい意味を答えればいいのか? それとも世間で多く使っている間違った意味が正解になるのか? 悩ましいわね。 そこで「さもしい」。 今後、「さもしい」の言葉が、変な意味で遣われるのではないか? と心配なのよね。 形容詞だから「~の様子」って意味になる。 「ぶれる」は動詞ね。終止形が「う段」の言葉で終わる言葉だから。 マスコミで麻生さんの発言を「ぶれる」って表現するけどさ。 「ぶれる」って、例えば「ピントがぶれる」とか遣って、「ゆれる」とか「焦点が定まらない」とかいう意味なんだけど、麻生さんの発言はそういうレベルじゃないわよねえ。 「私が郵政民営化担当大臣ですから、忘れないで下さい」 「私は郵政民営化担当大臣では、なかったんですから」 正反対の事を言って、それをなんとか正当化しようとしてる。 本当は、自己矛盾を起こしているのよね。 それを言葉で繕おうとしてる。 一方の言葉が本当なら、他方はウソなのよ。 だからもしかしたら、「さもしい」の新しい意味は、こんな感じになるのかしらねえ。 【正反対の事を言っているのに、同時に正しいと主張し、理由をでっちあげる様子】 そして、 【前言を覆すような発言をしても、反省をしない様子】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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