「渡り」廃止の政令
野党(民主党・細野議員)が、疑り深い人で良かった。昨日の国会で、麻生総理大臣が、「渡り」について新たな答弁を。官民人材交流センターだったっけ。政府が官僚を天下りする為に設けられる組織。政府与党が、これを作るって言ってるのね。今、派遣切りで苦しんでいる人にとっては、「ふざけるな!」の組織だわよ。だけど政府与党は、こんな組織を作るのが正しいと思ってるのね。この組織を作るのが3年後、だったかしら。それまでの間、臨時の組織を作る事にしちゃったんだけど、ここにどういう人を配置するかを決めて、ナントカセンターが完成する前にも、天下りを進めようとしてたの。これを防いでいるのが、「ねじれ国会」なのね。人が決まらないから、この臨時組織が機能しない状態になっていて、「それでも機能させたい」って役人の要求を受け入れて、勝手にきめちゃったのが、先日の政令。「ナントカ臨時組織が機能しなくても、総理大臣が承認すれば、天下りができる」ってね。これについては、自民党内部からもブーイング。「差し戻しだ」「議員立法だ」って騒いでたのが、つい先週。そして昨日の国会で、麻生総理は、また違う事を言い出したのね。3年を待たず、今年一杯で「渡り」を廃止するよう、政令を設ける。「おお~!」言ってる人が麻生さんじゃなけりゃ、素直に喜べたかも知れないわね。私は最初から、「信じない目」で見てるけどね。だけど、そういう目で見てるのが私だけじゃなく、当日の国会で質疑に当たった野党の人も同じで、ヨカッタ、ヨカッタ。自分が質疑の順番になるまでの間に、麻生さんが突然こんな事を言い出したから、その場で言う事を考えたんでしょうね。与党の質疑みたいに、予め用意された原稿を読むだけだったとしたら、民主党の細野議員も、突っ込みは入れられなかったんでしょう。だけど、流石野党。ちゃんとその場で考えて、疑わしい点をキッチリ問い質してくれました。まず「政令」って言ってるのが問題ね。内閣が閣議決定して作る約束事みたいなもの。法律の一種ではあるけど、弱いものなのね。国会で決められる法律と比べれば、簡単に作られるし、簡単に作り変えられる。政令で決めるとしたら、その法案を作るのは官僚だわよ。自分達が不利になるような政令を、作る筈無いじゃん。だから細野議員は、「法律を作れ」って。うん、うん。その通りね。そして麻生さんが言ってるのは、飽くまで「渡りを廃止する」って事ね。「禁止する」じゃないのよ。だから、「その組織では、渡りを斡旋しませんよ」って言ってるだけ。賢い国民のみなさんは、こんな言葉にゃ、騙されませんわよね?天下りや渡りに対して、「勝手にやるかも知れない」って言ってるの。だけど、「そんな事は、組織では関知しないよ」って。そういう前提で、更に抜け穴ばかりの政令を作ろうって言ってるんだから、ここは見逃してはいけません。天下りや渡りについて管理するのが難しいのなら、以前にも書いてるけど、お金の流れを止めるようにすれば、良いんじゃないのかしらねえ。天下りの元役人が所属する法人や企業には、政府からはお金が流れないようにすればいいのよ。法律で「契約してはいけない」って決めちゃうの。そうすれば、天下り役人は、ババ抜きの「ババ」になる訳ね。今は、天下り役人がいれば、ザバザバお金が流れ込んで来るようになってるの。給料や退職金を税金から工面(くめん)しなきゃならないからね。各省庁が毎年概算要求するお金には、こういうお金がドッサリ含まれているの。「天下りや渡りにお金を出すんだから、これだけの予算が必要だ」って、財務省にお金を要求してるの。だけど、そういうお金を「出しちゃ駄目」って事にしちゃえば、各省庁で使われるお金が、純粋な予算になるのね。国民の為に使われるお金、になる訳。お金の出入りを監視するなら、比較的楽でしょ。元役人の人が所属する企業・法人かどうかも、簡単に管理できるでしょ。トンネル会社が有ったとしても、それは民間調査会社でも調べられるでしょ。政府与党が天下りや渡りを続ける為に「職業選択は個人の自由ではないか」みたいな事を言うでしょ?憲法で保障されてるもんね。だから、「それじゃ、お金の流れをストップさせましょ」ってしちゃえば。政府与党が「権利を守るため」みたいに、綺麗事を言って、「本当は天下りは認めたくないいんだけど」みたいな事を言うんだとしたら、「お金の流れをストップ」を認めさせればいいわよ。「天下り」や「渡り」は、何が問題なのか?税金が流れ込んでいるのが、問題なんでしょ?だったら、もっと簡単な解決方法が、見付かるんじゃないかしらねえ。そこんところ、野党さんに頑張ってもらって、すぐにも解決できる手を考えてほしいわ。