2007/07/06(金)20:15
カラフトせんべい
明日新宿のロシア料理の食べ放題に行くと告げると
鳥牙はこう言いました。
「じゃあカラフトせんべいも食べるんだね?」
なんじゃそりゃ?と聞いた所、鳥牙は古い記憶を
呼び戻すような遠い目をして語り始めました。
昔、樺太には「カリブィト公爵」と言う人がいたのさ。
公爵は樺太の名産品を作ろうと思って3日3晩寝ずに
試行錯誤して作ったのがカラフトせんべいなんだ。
ロシアの食べ物と言えばピロシキ、ピロシキと言えばロシア。
だからピロシキを利用して何かと思った公爵は
煎餅の間にピロシキを挟んで売ろうと思ったけど
歯ごたえが悪かったので煎餅生地でピロシキの具を
包んだらこれもイマイチ。そこで公爵は考えた。
公爵は逆転の発想が大好きな人だから
「煎餅だからと言って煎餅生地にこだわらなくてもいい。
逆転の発想でパン生地で包めばいいんじゃないかっ」と。
そうして売り出されたのが「カラフトせんべい」
美味しいと評判になって売れ行きは良かったんだけど
ピロシキの発売元に訴えられて…それから以後の公爵の
消息を知る人はいないんだけど俺は偶然に中国の史記で
その事を知ったんだ。今でも俺の高校のあった街では
ちょっとそこまで行って来るって言って樺太に行って
お土産にカラフトせんべいを買って来る人が多いんだ。
この話を聞いて私は尋ねました。
「どうしてそこまでスラスラと口から出まかせが?」
「母の子だから。」
こいつ、ちょっと殺していいですか?